第九十五話 カケロマ島

久しぶりに知り合いからメールが来ました。今、カケロマ島に居るとの事でした。カケロマ島ってご存知でしょうか?奄美諸島のひとつの島です。彼は、ブルーウォーター24を購入して、そのヨットが初めてのヨットでしたが、そのヨットで、福岡から南下して、屋久島に行ったり、そうかと思うと
今度は大阪から連絡があったり、うろうろしていて、今は奄美だそうです。

ヨット始めて、とにかく面白くて、乗り回している間に、自然とヨットを覚え、あっという間にロングクルージングに出かけてしまう。そういう人です。最後に合ったのは、3年前、長崎でした。その後、大阪に行って、今度の連絡ではカケロマ島とか、全部ヨットでのクルージングです。彼のヨットには
GPSも無い。とにかくワイルド。今は、そこで自然の中でのヨットやカヤックなどのツアーのインストラクターをやってるようです。

http://www.kakeroma-yacht.com/

上記をクリックしてください。遊びに行かれる方は是非どうぞ。

彼には、ヨットのサイズや装備、それもこれもという事無く、ただ船体は頑丈そうだったので、海図見て、そのまま出かけてしまう。そういう人です。誰にでも薦めるわけではありませんが、何でもかんでも設置しないといけないと思うより、できる事をすぐにしてしまう。彼はどれだけ楽しんでるか、何も無いヨットで、うろうろ旅を続けて、行きたい所に行ってしまう。我々はそんな事はできませんが、少し見習いたいなと思いますね。

そこでまたミスターフォークボートの言葉を思い出します。”何でも揃わないと何故セーリングできないんだ?”我々は文明の中にどっぷりつかり、もっと気楽に、自然と遊ぶという事を忘れてしまっているようです。極端かもしれませんが、セールさえあればセーリングはできる。何もカケロマ島へ行く必要はありませんが、近場のデイセーリングなら、どんなヨットでも行けるし、楽しめる。そういう事を自分で限定してしまっているのかもしれませんね。楽しい事が目の前にあるのに、条件ばかりたくさん作って、自分で敷居を高くしてしまっているのかもしれません。その敷居を少しづつ下げて行って、もっと気楽にセーリングに出る。そういう意識というか、習慣にまでなれば、誰でも簡単にヨットで出てしまえる。

あれこれ言ってる間に時間は過ぎます。テクニックだか知識だとかも必要ですが、気持ちの問題は大きいでしょうね。速いとか遅いとか、大きいだの小さいだの、あれが要る、これが要る。でも、無くても楽しめる。そういう事を教えてくれます。気楽に、肩の力を抜いて、もっと遊びましょう。
人生を楽しみましょう。進化は良い事でしょうが、自然にできる事から遊ぶ。この精神を忘れない。
そしたら、自然に溶け込めるのかもしれません。

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