第十四話 基本的考え方

クルージング派と称する方々が、本気セーリングをしていく場合、レースではありませんので、クルージング艇を使ってセーリングをします。でも、いつもぶらぶら漂っているだけでは面白くありませんので、セーリングをいかにするかを考えてセーリングを堪能するのが主になります。ゲスト無しの通常の基本的使い方です。良いクルーが居るなら良いのですが、そうでなければシングルです。
良いクルーとは、オーナーの望む乗り方、その価値観を共有できる人でなければなりません。信頼関係も必要です。給料払って雇うのなら、簡単かもしれませんが、そうでなければ、クルーの意識もあり、クルーにも一緒にオーナーの乗り方を楽しんでもらわなければなりません。

オーナーは利己的で良い。利己的というのは悪い事という認識がありますが、そうとは限りません。オーナーが自分の価値観で、望むセーリングを堪能する事が何より優先されなければなりません。それができる事によって、クルーは育ち、彼は後々自分でもオーナーになりたいと思うでしょう。オーナーである事は面白いからです。オーナーはその為にお金を払ってヨットを購入したわけです。オーナーが一番偉いんです。但し、オーナーは自分が楽しむ為に、自主的でなければなりません。誰かが、面白い事を演出してくれるという期待は持てません。そこがヨット運営の分かれ目ではないでしょうか。これはチャレンジをしていくか、そうではないかです。チャレンジをしていく事が面白いに繋がるわけですが、それをせずに面白く無いと判断してほしくは無いと思います。そのチャレンジも大きな事で無くて良いわけです。プチチャレンジで良いわけです。

いろんな使い方、遊び方があるなかで、デイセーリングにおけるセーリングを遊ぶという行為は最も基本的な使い方ではないかと思います。ですから、これは全てのヨットマンに基本として楽しんで頂きたい行為です。それがベースにあって、時には旅に出る、時にはゲストを招待する、そういう使い方をお奨めしています。それで、最も基本的な使い方において、積極的に、自主的に行動していく。この運営をやっていきますと、きっと面白いし、これが面白く無いヨットマンなど居ないと思います。

そこで、この基本的運営をそれぞれのオーナーが考えて実行していけば良い事になりますが、そういう運営の提案をこれまで何度もさせて頂いたわけです。これも、私が考え付く以外にもあるでしょう。それは各オーナーが自分の個性を発揮して、企画、実行していけばいいわけで、その一助として、しかも基本中の基本、これさえ実行しておけば、間違いなく楽しめる。そういう提案を致します。
それを参考にしていただければ幸いです。

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