第二十九話 クルージングもスポーツする

 

最近のヨーロッパでは従来のクルージング艇を、スポーツするという動きがあります。プロダクション艇は何もキャビンヨットにみんな移行していったわけではありません。上の写真はイタリアのコマー社のコメット41Sというヨットです。オープントランサムになり、大きなステアリングが設置されています。低いプロファイル、そしてキャビンも従来のクルーザーレーサーのようなシンプルさでは無く、クルージング派も満足できるように造りこまれています。

 

クルージング派にはキャビンヨットを、という事から、クルージング派もセーリングをスポーツしようという流れだと思います。一見レーサーぽい外見、でも、中身はクルージング艇、これをどう使うかとなりますと、沿岸の旅として行くにはエンジンを使う事が多いでしょう。それはそれでOKですし、キャビンも充実してますので文句は無いと思います。この旅以外では、日常としてはデイセーリング、デイセーリングは帆走が面白くないといけませんので、スポーツ化していく。これで、旅もセーリングも楽しめる。性能の高いセーリングも楽しみましょうという話です。

これは従来には無かったジャンルで、ヨーロッパでもこれからのようです。ただ、このコマー社以外にもそういうヨットの建造が出てきています。ファミリークルーザーとして、クルージングもするが、スポーツもします。そういうヨット、いろいろ考えて、試してきたが、やっぱり、ヨットはセーリングするのが最も面白い。それならそういう性能があった方が良い。でも、内装も充分造りこまれています。
レーサーでは無く、あくまでスポーツですから、ジブファーラーを使いますし、ジェネカーなんかもファーラーにして遊びます。セーリングするにショートハンドで使い易い道具を使いますし、それで帆走をもっと楽しもうという算段ですね。おおいに賛成です。

普及していくと、多様化があらわれ、細分化していきます。これでヨットはデイセーラー、キャビンヨット、スポーツクルーザー、レーサークルーザー、レーサー、外洋レーサー、外洋クルーサーとこんな風に分かれてきています。

もちろん、お奨めはデイセーラーとスポーツクルーザー、どちらもセーリングを主に楽しみます。それもシングルとかダブル、ショートハンドで、使い易い装備で、高い帆走性能を楽しむ。これからは、こういうのが面白いと思います。

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