第四十話 セーバースピリット

アメリカ東海岸の外洋専門ビルダーであるセーバー社が建造中のセーバースピリット36が、来年
の初めに完成します。これもデイセーラーとコンセプトを位置づけたヨットで、そのヨットの仕様が明らかになってきました。

全長:36’8”、水線長:28’4”、前後にオーバーハングを持つ、ちょっとクラシックなデザインです幅:10’5”、少しスリムですね。ドラフト:6’7”、排水量:4,220kgに対してバラスト:1,700kgですからバラスト比は40%です。

  まだ現物写真は無いのですが、左のイラスト
  を見ても解ります通り、メインシートトラベラー
  はキャビンの上ではありません。外洋艇では
  無く、デイセーリングからコースタルが基本で
  すから、そうなりますと、セーリング自体をもっと
  楽しむ乗り方になりますので、やはり、そういう
  デザインになります。

  ジブはセルフタッキングのファーラー、ファーリン  グドラムはデッキ下ですから、その分セールエ
  リアは少しでも稼げます。

こういうコンセプトのヨットはキャビン天井が低いのが一般的で真っ直ぐ立つ事はできないのが普通ですが、セーバースピリット36は天井が役1.8mありますから、真っ直ぐ立つ事ができます。
その分上部を軽くする為に、カーボンマストを標準にしています。アルミマストに比べますと、相当軽いです。それでやっぱり、このヨットもライフラインがオプション設定になっています。

それにメインセールのリーフはシングルラインリーフィングシステム、エンジンはセールドライブ、造りは定評のあるセーバークオリティーですから信頼できます。



バウキャビンとメインサロン、ギャレーに個室トイレ、このコンセプトにおいては充分ではないでしょうか。デイセーリングからウィークエンド、我々が良く使う沿岸クルージング、こういう範囲においては非常に使い易いと思います。

小さなジブに大きなメインですから、ブロー時などはメインはジブよりメインを逃がす。これにジブブームかポールをつけてジェネカーかをつければ完璧です。いよいよ時代はデイセーラーとシングルハンド、必ずしもシングルハンドでは無いにしろ、それもできるヨットというのが良いですね。まだ完成していないので、ちょっと気が早いのですが、待ちきれずに、ちょっと紹介してみました。

次へ      目次へ