| メインセールとジブセール、大抵はジブセールの方が面積は大きい。大きなジブをジェノアと言いますが、メインよりも大きいくせにコントロールの範囲が狭いのは何故でしょうか？ メインセールにはブームがありますので、任意の角度に開く事ができます。おまけに、トラベラーとバングとシートで任意のひねりを入れる事ができる。要は、セールは角度とひねりと面積の３要素 ではないでしょうか。これに比べますと、ジェノアはブームが無いので、最も引き込んだ位置以外、少しセールを出した位置ではコントロールが悪くなります。 それで考えたのがジブブームですが、これとてメインセールのコントロールに比べると及びません。それで大きなメイン、小さなジブと面積を逆転させて、コントロールがよりできるメインを大きくした。実に合理的な考えかと思います。 さて、多くのヨットは大きなジェノアですから、ならばもっとコントロールのできる範囲を考えようという話です。最も役に立つのが、ジェノアトラックのリードブロックを前後に移動させる事です。今でもそれはできますが、大抵はリードブロックのノブを引いてピンを抜き前後にずらして、再びピンを入れて固定するというものですが、これを別なブロックとロープを使って、コクピットからコントロールするものです。ブロック自体を動かしても良いのですが、今使っている風下側は移動できないので、風上側でやる。そしてタック、否、もう少し前が良かったなんて事もある。このロープを使ったコントロールは今使っている風下側でできますから、すぐに任意の位置に移動できます。 この事については既にご存知かと思います。つまり、クルージングをスポーツする為に、ありとあらゆるとまではいきませんが、このコントロールぐらいまではやれると面白いかと思います。コクピットに居ながら、シートを引いて、ブロックを前に、或いは後ろ側に移動できますから、セールのツウィストなどを自由にコントロールできます。 セールは風の方向に対して角度がありますので、風を逃がすとは言ってもどんどん出せば良いわけでは無く、風を逃がしたい時などはリードブロックを後ろに移動させてリーチを開くという作業をしたい。こういう時に簡単にできますので、セーリングをスポーツするには良い道具かと思います。 しかも簡単ですし。 今のジェノアトラックにこういう仕掛けをしようと思う時、ひとつ問題があります。もしリードブロックにベアリングが付いてないなら、前後の滑りが悪い。かなりの抵抗がありますので、ジェノアトラックごと変えなくてはならないでしょう。もしベアリングが付いているなら、数個のブロックとロープでできますので、是非改造してみてはいかがでしょうか。 ジェノアに関しては、その他にもあります。例えば、少し開いた時、リードブロックは内側から引きますので、どうしてもリーチもフットも丸くなる。その点メインはちゃんとコントロールできます。それで、デッキの幅までは、その端（トウレール）にスナッチブロックをつけて、そこを臨時のリードブロックにできる。でも、まあ、面倒なので、ここまではしなくても良いかなとも思います。  ちょっと見にくいですが、ジェノアトラックの先端にブロックが組み込まれたタイプです。 １／４ぐらいのテークルを組むと大抵はウィ ンチ無しで引けると思います。 セーリングをしてますと、このブロックを移動 させたいなと思う時があり、でも面倒だなと 思う時があります。シングルならなおのこと でしょう。そんな時、これがあれば躊躇する事 ありませんし、セーリングはもっと面白くなる と思います。 理想的な艤装は考えればいろんな方法がたく さんあると思います。全てやるにはクルーもた くさん必要になってくるし、ショートハンドでは面倒さもでてきますので、どこまでやるかはオーナー次第ではありますが、このジェノアトラックのコントロールぐらいはあった方が良いかなと思います。簡単ですし、シングルハンドでもできますし、やれば楽なセーリングもできる。基本は簡単な操作で、セーリングが楽になるという事が良いと思います。楽になれば、どんどんセーリングができますから。 ちなみに、ノルディックフォークのジブは小さく、メインはでかい。それでメインセールを主にコントロールしますが、そのジブをさらに引き込む艤装がついてます。  前から来ているのがジブシート、右側のブロックがリードブロック、真ん中のブロックを経 由していますので、ハンドレール横のシート をコクピットから引きますと、ジブをさらに内 側に引き込める事ができます。上り角度が 良くなる。 まあ、いろんな艤装を考えるのも面白い遊び のひとつです。 |