| 最高のセーリングを求めるにも、二つのアプローチの方法があります。ひとつは、より良いセーリングをする為に、いろんな細かい艤装を設置して、ひとつひとつの作業を楽しむ方法です。それには高い知識を持ち、少しでも快走を目指す。この場合、作業は面倒でも何でも無く、解ってやってる作業が面白いと感じる方です。細かい作業に反応する走りを感じて走る人です。本人は面白くてたまらない。何もしない方が退屈に感じてしまう。 もうひとつの方法は、同じようにセーリングを求め、快走を求めます。しかし、できるだけ簡単にそれが実現できる方を好みます。所謂、簡単操作、でも、操作は簡単でも快走を目指す。誰でも簡単の方が良いかと言いますと、そうでも無い。人によっては、いろんな細かい操作をする事を好む方もおられる。 いずれにしても、のんびりぶらぶらのセーリングでは無く、最終的には快走を求めています。前者にはいろんな艤装を施して、細かい調整をします。場合によっては、ファーラーにもしないかもしれない。ジェネカーでは無く、スピンかもしれない。でも、後者は違う。しかし、快走を目指しますから、 大きなスタビリティーで、大きなセール、メインセールも電動ウィンチで上げるかもしれません。いくら簡単操作であっても、多少はやります。コクピットに居て、舵を持ったままできる範囲の事です。 そして、いくら簡単でもオートパイロットでは無く、自分で舵を握ります。それが目的でもあります。快走を感じる最高のポジションでもあります。スポーツカーの助手席では面白く無いのと同じです。 これはまさしく、デイセーラーです。ＮＥＷＳページにも書きましたが、スーパーヨットで有名なワリーヨット社が新しく３６フィートのシングルハンド／デイセーラーを発表しました。欧米で発表される数々のデイセーラーヨット達、これらはまさしく簡単操作による快走を求めています。今更のんびりセーリングなら従来のヨットで良いわけです。そんな退屈なセーリングよりも、シングルで気楽に、簡単操作ができて、それでも快走が味わえる。そんな時代です。それが実現できるようなヨットデザイン、艤装、テクノロジー、まさしく欧米のヨット界はセダンからスポーツに変化してきています。 スポーツカーならぬ、スポーツヨットの時代です。それも誰でも、簡単に操作でき、ちょっとした操作を楽しみ、最大の快走を楽に体感できる。考えてみれば、ヨットは純粋な遊び道具ですから、その遊びに徹しています。現代人は忙しい、そういう方が週末に快走する。或いは、たくさんの趣味を持つ方が、そのひとつとして最高のドライブ感を味わう。スッキリした艤装で、美しく、ごてごてした物は無く、余計な物もありません。それでいて、操作は簡単です。 いろんな艤装を操作して遊ぶやり方もあるし、こういう楽に快走するやり方もあります。これからのヨットは実に面白くなると思います。欧米では大きなヨットがたくさんありますが、そういう時代を経たからこそ、こういうヨットが生まれてくるのかもしれません。しかし、これは日本人のライフスタイルにはとっても合うのではないかと思います。キャビンヨットが今一つかいきれない日本、忙しい日本、そういう日本には、短時間でスイスイ走ってこれるヨットが似合うと思います。スポーツヨットと言いましても、激しいセーリングではありません。自分が心地良い快走を目指すセーリングです。 そんな面白いセーリングができるヨット、それがこれからは面白いと思いますね。  ＷＡＬＬＹ ＹＡＣＨＴＳから発表されたＷＡＬＬＹ ＮＡＮＯ。３６フィートのシングルハンド／デイセーラーです。写真は 模型ですが、今年の末には第一号艇が進水します。 クラシックなラインに最新の船型と艤装。圧巻はティラー に設置されたボタンです。このボタンでセールホイストから あらゆるトリミングが可能です。ジブはもちろんセルフタッキ ングです。どうもここにはファーリングジェネカーの設定があ るようです。 まあ、ここまでは行かないにしても、簡単操作の快走セーリ ングは面白いと思います。 |