第三十四話 セーバースピリット 36

ようやくセーバー社の新しいデイセーラーモデル、セーバースピリットの内容が明らかになってきました。当初の仕様とは少し変更になり、やはりと言いますか、メインハリヤードには電動ウィンチが標準、ライフラインも標準で供給される事となり、これは取り外し可能となっています。また、ノースのセルフタッキング/ファーリングジブとフルバテンメインセール/Antalスライダーが標準として設定、機器類(GPS等)のオプション以外は、このままSail Away仕様です。

 カーボンマスト、鉛キール、バックステーア
 ジャス ター、カーボンラダーシャフト、それに
 船底のスト リンガーにもカーボンファイバー
 を使って補強しています。もちろん、バルク
 ヘッドや家具類も全てグラスでラミネートされ
 ていますので、船体剛性は非常に高い。
 ロッドリギンにフォアステーにはDyformのワ
 イヤーです。艤装も一流です。





 内装はチェリー材、レイアウトは言ってみれば
 ワンルームマンションのような感じかもしれま
 せん。これはデイセーラー全てに言える事で
 す。ただ、このセーバースピリットは他のデイ
 セーラーよりも少しキャビンの余裕があります。
 天井高は1.78mです。







通常のセーリングにおいては、デイセーラーがセーリング主体で、キャビンは従とは言っても、これだけあれば充分ではないかと思います。もっと個室を造ったりするよりも、セーリングで遊ぶヨット、
そういうコンセプト、ショートの旅なら充分かと思うのですが。

いよいよアメリカ市場は特にデイセーラーが確実にシェアーを伸ばしてきています。外洋艇はサイズがどんどん大きくなっていきました。多分、その反動と言いますか、外洋に出無い方々が近場で遊ぶ為に、セーリングを遊ぶ為に、こういうヨットの登場は必然だったのかもしれません。考えて見れば、長い旅でも無い限り、個室がいくつも必要だったり、トイレが二つあったり、ギャレーが広々していたり、そんな必要性はあまり無いのではないでしょうか。それより、ショートセーリングを充実させて、気軽でありながら、セーリングの醍醐味を味わえる。その事の重要さが感じられます。それに、アメリカ人だって、忙しい人は忙しい。遠くにいけない人だってたくさん居るわけです。

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