第八話 周辺環境

ホームポートから10〜20マイル圏内に何があるかを調べてみましょう。他のマリーナ、ヨットが留められる場所がどのくらいあるか?そしてそこに何があるか?何を散策できるか?レストランとか観光スポットとか、興味を引くものがあるか?日帰りで遊べる範囲内に何があるか?セーリングにしろ、小さな旅にしろ、この海域でどう楽しむかは、重要な事かと思います。多分、これが基本になると思います。ここに面白い使い方を創像できますと、きっと日常的にヨットを楽しむ事ができると思います。今はインターネットという非常に便利な情報源がありますから、いろいろ調べて、その中で1日で遊べるプランを検討してはいかがでしょう?

そして、いろいろな変化が無いといけませんから、毎週同じ場所に行くのは飽きてきますから、いろんなスポットに出かける。行った先のレストランから、そこでレンタサイクルがあるとか、次に行く場所を調べて行く。それもひとつの楽しみですね。漁港しか無いのなら、事前に漁港に電話する事もできます。そしたらもっと安心でしょう。

これを二日続ければ、三日続ければ、どんどん遠くへ行く事ができます。最初からそのつもりなら、30マイルでも40マイルでも走れます。夜間航行ができれば、もっと遠くへでも行けます。ただ、しょっちゅうは旅ばかりへはいけませんので、やはり10〜20マイル圏内で何ができるかが、日常的にヨットを遊ぶ秘訣になろうかと思います。

どこかにアンカー打って、海水浴も考えられますし、釣りだって考えられます。マリーナに係留したまま、そこでバーベキューも出来るし、泊まって夜の海を楽しむ事もできる。コクピットでみんなでいただく食事は最高です。その日は泊まっていくなら、ビールやワインも飲み放題。たっぷり楽しんで、夜はキャビンでおやすみです。

お気づきの事と思いますが、これには限界があります。ホームポートの場所の環境にも寄ると思いますが、それでも限界があります。これで5年、10年、20年と楽しめるものではありません。やはり人は変化が無いと面白くありませんので、その変化を求めるか、乗らないかになっていきます。
ある人は変化を求めて、もっと遠くへ行こうとします。それが日本一周になったりします。しかし、そんな暇が無い人、或いは、そんな興味が無い人はどうしたら良いか?どうやって変化を創るかです。ひとつの方法は、いろんな人を乗せる。ゲストを招待する事です。同じ事でもメンバーが変われば気分も変わります。でなければセーリングするしか無いと思うのです。しか無いというのは意に反する言い方なんですが。

人は変化を望みます。でも、全く予想もしない変化では無く、半分は期待通りに行くぐらいの変化が丁度良い。贅沢な望みですが。どこかに行くのは新鮮で、それ以降は殆ど変化しません。それで気分を変化させる為に、メンバーを変えるか、自分の気分が変わる半年か1年ぐらい経ってから、また行くかです。

セーリングは一見変化があまり無いような、ただ走ってるだけのような気もしますが、それは意識の持ち方にあります。セーリングをより良くと思うと、セーリングはすごい変化をしている事に気づきます。ですから、10〜20マイル圏内で、やる事が無くなったら、少し変化がほしいと思ったら、セーリングを意識してみてはと思います。これがデイセーリングの根底にあります。このセーリングで変化を見出したら、これから先、何十年でも楽しむ事ができます。セーリングも楽しみますし、もちろん、宴会もするし、どこかの島に渡ったりもする。その中で最も面白いと感じた事を中心に、否、セーリングを中心に据えておけば、トータルで面白いヨットライフがおくれると思う次第です。また、その日1日に、セーリングと宴会をミックスしても良いし、泊まっても良いし、いろんな取り合わせも考えられます。だいたい風がある時はセーリング、無い時は宴会やどこかへのプチ旅行とか、そういう使い分けが良いようです。ゲストのあるなしにも寄りますね。

幸い博多はこういう使い方にはぴったりで環境に恵まれています。湾内に島があり、湾の出口に島があり、出てからも点々と島があります。その日によって、どの島回って帰ってくるという事ができる。セーリングにしてもです。こういう環境に恵まれ無いマリーナもあるでしょう。でも、少なくと、海は絶対あるわけで、そこでセーリングは誰でも楽しめる事になります。宴会も船中泊もできます。デイセーリング推進派の私としては、是非、何でも良いですから10〜20マイル圏内で遊べる事が重要かと思います。それには旅の要素もありますし、セーリングの要素もある。全てが凝縮されています。

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