第五十四話 セーリングの普通度

セーリングの普通度が高まったら、いろんなヨット、バラエティーに富む事になります。欧米はこの普通度が日本より高いので、いろんなヨットがあります。自分のスタイルに応じて、ディンギーに乗る人、カタマラン、レーサー、外洋艇、ウッド、自作艇、いろいろあります。普通度に応じて、バラエティーになる。マニアックと呼ばれるようなヨットも、普通度が高まれば、何て事は無い。

レースしようが、キャビンで寝ていようが、普通度が高まると、いろんな使い方が出てくる。これもバラエティーに富む事になります。各人が各様のやり方で遊ぶ事ができる。すると、いろんな人達も入りやすくなります。まあ、そこまで来るには後何十年かかるかは解りませんが、いつかはそうなるだろうと思います。そうなると、欧米のように、いろんなヨットが入ってくる。欧米では大きなヨットばかりでは無く、御年配の方がディンギーで遊んでいたり、15,6フィートのヨットとか、小さなヨットもたくさんあります。ただ、日本に入ってこないだけです。もちろん、メガヨットもたくさんある。バラエティーに富む。バラエティーに富むという事は、よりたくさんの人達がヨットを遊べるという事になります。身近になるという事です。

日本の周りは海だらけですから、その要素はおおいにあります。

昨年、あるベテランヨットマンが21フィートのヨットに買い換えられました。30年以上のキャリアをお持ちですが、他人に言わせると、何故?という言葉が出ます。今更21フィート買うなんて?でも、このオーナーはそのヨットを再塗装して、内外をきれにされ、楽しんである。ご存知の通り、キャビンは狭いもんです。これはこのオーナーのヨットに対する普通度が高い事を意味しています。自分が高齢になってきた事、もう遠くへ行かない、気軽さをキープしたい。そういう事です。何も小さいのが良いと言っているわけではありません。ただ、他人とは関係なく、自分のスタイルで、自分に合ったヨットをちゃんとみつけられるという普通度の高さです。

導入期は、だいたいみんな解らないので、同じようなスタイルになります。そして同じような流れができる。それがもっと広がっていきますと、要約、独自のスタイルというのが出てくる。今、日本のヨット界はそういう時期かと思います。極一部の方が、独自のスタイルを求めるようになってきた。これからもっと多くの方が、そういう自分スタイルを求めていくようになると思います。導入期が終わり、成熟期の入り口ぐらいでしょうか。これからが面白くなりますね。

この成熟期の加速の為にも、近場での気軽なセーリングを楽しまれる事をお奨めしています。せめて、マリーナに行くと、たくさんの人達で溢れ、日曜日の良い天気に恵まれた時などは、マリーナに居るヨットの3分の1ぐらいは、セーリングに出てるというような状況になればと思います。そうなってきたら、もうセーリング、セーリングとは言いません。このTALKページも終わりかもしれません。今度は違う事を言っているかもしれません。

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