第六十六話 セーリングが面白く感じたら？
| 誰でも面白い事を優先したくなる。それでセーリングが面白いと感じるようになったら、何とかしてでもセーリングをしたい、もっと質を高めたいと思うものです。忙しくても、何とか時間を作ったりもします。忙しいから乗れないのでは無く、面白さを感じていないから乗れない。ひとりで乗れなかったら、何とかひとりで乗れる工夫をするし、場合によlってはヨットの買い替えまで考える。 ヨットがあまり動いていないという事は、あまり面白さを感じていないからでしょう。それで、デイセーリングは最後の砦、純粋にセーリングを味わう方法ですから、これを面白く感じないとヨットはやれないかもしれません。でも、セーリングそのものが嫌いな人がヨットをしようと思うわけが無い。少なくとも、今ヨットのオーナーであるという事は、必ずセーリングが好きなのではないかと思います。 ただ、どんなセーリングをするかが、人によって違う。ある人はロングを好み、ある人はレースを好む。そうじゃない人達はデイセーリングです。これを何とか味わって、面白さを体感していただきたいと思います。１回ぐらいじゃ解らない、少なくとも１年間。１年間、何度も乗ったが、ちっとも面白くなかったと思った方は、残念ながらセーリング向きでは無いのかもしれません。でも、そんな方がヨットやろうと思いつく事は無いと思います。必ず、面白いセーリングがあるはずです。 乗り続ければ、いろんな事が体感として解ってくる。するともっと面白くなっていく。中には辛い目に合う事もあるでしょう。でも、何をやっても、うまく行く時と行かない時がある。それが解っているのが大人です。面白さがあれば、そんな事は何でも無い事になります。早く、面白さに出会う事が大切です。 ヨットやるからといって、他の事ができないわけじゃない。特にデイセーリングに専念すれば、いろんな事ができる。でも、面白くなればなる程、そこに専念するようになる。ヨットなんていうものは、大人が一生をかけて遊ぶには、恰好の遊びかと思います。毎回やる事は単純にも見えますが、味わいに重きをおきますと、いろんな表情が見えてくる。感性を磨く遊び、感じる遊びです。 ゴルフをするにはスコアーがあります。マージャンも勝ち負け、パチンコもそうです。テニスも、野球もサッカーもバスケットも、釣りだって釣果が無い事にはがっかりです。でも、セーリングだけは違う。違うから今一明確では無い。しかし、一歩進んでみますと、味わいという何とも代え難いものがある。それが面白いになる。スコアーが上がったから、勝ったから面白いわけでは無い。何も無いのに、面白いになる。 それなら、できるだけ頻繁に出られるように、できるだけ簡単に操船ができて、できるだけ帆走性能が良くて、というのを求めるのは普通の事です。その方が、より多く、良い感じ、というのを味わえるからです。それがデイセーラーをお奨めする理由でもあります。それに比べたら、集いは確かに楽しいが、夢中になれる程では無いと感じています。集いはヨットでは無くてもできる。代用がきく。しかしセーリングは代用がきかない。セーリングの味わいはセーリングによってのみ得られる。 |