第八十二話 セーリングのコツ?

最も大事な事は、舵操作ではないかと思います。それも真っ直ぐ走る。曲がって、新しい角度にピタリと合わせて、また真っ直ぐ走る。その舵に集中して、鋭敏に何かを感じ取る。そこにセーリングの最大のコツがあるのではないかと思います。

セールのトリミングとか、他の事は、それができれば、何度も乗っているうちに自然に身についてくるのではないかと思います。舵操作がおろそかになりますと、セールも風当たりが常に変化してしまいますから、どれが正しいセッティングなのか解らなくなります。微風、強風、風の変化に対して、舵取りがきちんとしていると、これがセッティングの基準になります。基準がふらふらしていますと、何も設定ができませんから。

それで、意図した方角にできるだけ正確に真っ直ぐ走れるようになる事。常に方角を意識する事が大事なんではないかなと思います。これがまず最初に体得すべき事ではないかと思います。これさえしっかりすれば、後はぼちぼち学んでいけると思いますね。

初心者の方は、これがなかなかできません。波がありますから、道路を走るように船体が全く左右にぶれないという事は無いのですが、できるかぎりそうならないように、波で船体が少し横に振れそうなら、動いてから舵操作で修正すると、船体が横にぶれています。そうならないように、船体が波で横に押されそうになった瞬間を感じ取りながら、舵を少し当てて、真っ直ぐ走る。そういう事を意識して舵取りをしてはどうでしょうか?舵は大きく動かさない。ほんのわずかで良い。それも実感して頂きたいと思います。舵はできるだけ切らない方が良いんです。走る抵抗になりますから。最小限の舵操作で、真っ直ぐ走れるように、となりますと、変化の開始のタイミングを感じ取って、同時ぐらいで修正していく必要があります。実は、そんなに難しい事では無いんですが。最初は意識していなければならないでしょうが、そのうち無意識的にできるようになります。いつでも、無意識にでもそれができるようになります。

自転車に乗る時、自然に倒れる方向にハンドルを切ります。それと同じですね。それをもっと倒れそうな瞬間、最初の瞬間にちょこっと動かす。そういうのが自然にできる。すると、ヨットは真っ直ぐ走る。方向転換時も、意図した角度にピタリとつける。舵操作は全ての基本で、セーリングのコツで、全てはここから始まるのではないかなと思いますので、初心者の方は是非、これを意識してみてください。

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