第67話 海図

最近はGPSがあるのであまり海図を見なくなりました。便利な物は多いに使うが良いと
思いますが、やはり海図もじっくり見てみる事をお奨めします。GPSは非常に簡単で、
楽に航行できるのですが、楽なだけによけい回りを気にしなくなるような気がします。
そこで海図をじっくり観察して、灯台や浮標などから自分の位置を確認しながら航行する
というのも良いものです。頭の中に残りますし、いろんな事が勉強になります。
GPSで航行するよりも、海図を見ながら、周りの風景を確認しながら、灯台や浮標など
様々な物を目で見て、海図で確認して、そういう航海をしながら経験すると、自信がつく
と思いますね。

こっちの灯台を確認して、角度を出す。向こうの灯台の角度を確認、こっちとあっちの見と
おしの角度、あの島はこれ、等々、自分の位置とコンパスの角度を見ながら航行します。
そうすると、GPSでは漫然と見ていた風景が、観察に変わる。そうすると、行き交う船や
島々、いろんな物を観察する目となり、頭に残ります。もちろん、GPSと併用で良い。GPS
でおおまかな航行ルートを確認して、そして海図を確認する。できるだけ海図に慣れるように
する事をお奨めします。海図は機械ではありませんので、壊れませんからね。

もうひとつの海図の使い方。エンジン冷却水のインペラを交換したのは良いのですが、その
蓋についている紙製のガスケット、これが破れてしまって、これが無い。こういう時は海図を
その形に切りとって、ガスケット代わりに使うと良いです。

観察の目で見るのに慣れてくると、もうすぐあの角度に灯台が見えてくるはずとか、そういう
のが解ってくる。それに海の上だと距離感が狂います。陸上では30km先の物を見るという
ことが無い。どこも建物で遮断されています。ところが、海の上では遥かかなたの島が見える
あれはどのくらいの距離か、という事がわからない。もちろん、GPSでも解りますが、海図の
方がしっかりと確認できてわかる。それに慣れてくると海上での距離感も養われてくると思い
ます。

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