第69話 ヨットのシーズン

ヨットは夏というのが相場ですが、九州に限ってはそうでもない。確かに、一般的にはそういう感覚ですが、
実際、真夏にヨット載ってみると解ります。風もあまり吹かないし、とにかく暑い。こういう中でヨット乗るのは
結構つらいものがあります。それで夏はヨットのシーズンではないのです。良いのは夕方からのサンセット
クルージングなら、夏は良いですね。少し涼しくなってきます。

それで九州のシーズンといえばやはり、これからの秋です。風も出てきますし、涼しくなってくる。秋も深ま
ると、少し空気は冷たく、ピリットひきしまる感じで、これが良い。空気もきれいですし、夕陽も美しい。冬は
さずがに九州でも寒いのですが、時折穏やかなときがあります。冬もなかなか捨てがたい。2月ぐらいに
なるとさすがに厳しい。これはお休みとして、3月から4月にかけて、メインテナンス、船底塗装やその他の
点検をしっかりして、船体も美しく磨き、春にセーリング。それから梅雨がきて、これもうっとおしい。でも、
やがて、夏が来る。

何と変化に富んだ季節でしょうか。冷静に年間の季節を考えてみれば、これは有り難い環境ではないでしょ
うか。めりはりがあって、季節、季節のセーリングが楽しめる。年中暖かいのにもあこがれますが、やはり、
季節のめりはりは実に有り難いことなのです。変化を楽しめるというのは有りがたい。季節ばかりは人間の
力ではどうしようもないことですから、それが全て与えられているのですから。感謝せざるを得ない。

それで、九州のヨットシーズンは年間を通してです。夏でも乗れないときがあり、冬でも乗れるときがある。
安定して、いつも絶好というのは、実は退屈なのです。変化を楽しめるというのは実にありがたい。だから
年中を通して乗れます。全てお見通しなら、挑戦する気にもなれない。全て同じならすぐに飽きてしまう。
季節の変化、気候の変化、変化の中で最高の走りを求めて、うまくいくと変化の数だけ面白い。

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