第七十一話 ヨットを始める

段階の世代の方々がたくさん引退されるという事で、その中のほんの一部の方々でもヨットを始められたらと思いますが、あいにくのこの不況、おまけにマスコミは100年に一度と騒ぎ立てるものですから、必要以上にみんなが固まってしまいました。

マスコミはあおるだけあおって、今度は行き過ぎたと思ったら、反対の記事を探して、こんな時期でも景気が良いところはあるなんて言います。つまり極端に針が振れないと面白く無い、記事にならないという事でしょうか。少し割り引いて見ていた方が良さそうです。時折、テレビに出演する人自体が自嘲気味にマスコミも悪いとか言いますが、自分の事は含んでいないようですね。でも、全く変わりません。言うだけでありますね。

まあ、そんな世間の風評に拘わらず、冷静に自分の立場を考えて、ヨットやって遊べる方々は多いはずです。マスコミにあおられて、固くなっているより、できる事は遊んだ方が良い。世の中の為にもなります。自分の為だけじゃありません。

それで、是非、ヨットを始めて頂きたいと思います。ヨット界は新しい人達を求めています。今のヨット界を活気付ける方法は、新規参入の方々が増える事。これ以外には無い。どんどんヨット人口が増える事によってのみ、他の方々も影響され、俺ももっと乗ろうかなという気持ちにもなるでしょう。
まあ、今から始める方にとっては関係無い事ですが。

そんな事は兎も角、ヨットに興味があって、物理的にも何とかなるのなら、是非、ヨットを始めて頂きたいと思います。もちろん、ボート免許は必要ですが、でも免許があってもヨットには乗れませんね。でも、動かすだけなら簡単にできるようになります。面白いのはもっともっとその先にある。取りあえず、マリーナに行って誰かに、買った業者とかに相談して、誰かに教えてもらいましょう。すぐに、動かす程度ならできるようになります。

ヨットがなんと言っても他と違う所は、海に出れば、多少なりとも緊張感があります。この緊張感は面白さを味わうには必要な土台みたいなものです。これが慣れて、無くなったら、マンネリ化に退屈感を感じてきます。適度な緊張感は心地よいものでもあります。

この緊張感を土台にして、舵とセールを操り、風と波に対応しながら走らせる。微妙なバランスを感じながら走る感じは、陸上の何かには例えれない、緊張という土台に積み上げられた、快走感覚を是非味わって頂きたいです。空は三次元で動きますから、もっと緊張するでしょうね?海は陸と同じ二次元ですが、地面と違って、下が揺れる。不安定です。だから、面白いのです。

ヨットはそういう不安定性の上で走る事を想定して建造されます。これも各ヨットによって、性格が違いますので、始めての方が簡単には解らないとは思いますが、とりあえず、ヨットに大雑把に言って、レース用のヨット、レースとクルージング用に使うヨット、クルージングに使うヨット、そして、セーリングと近場のクルージングに使えるヨット等があります。

まずは関心をもたれたら、いろんな手段で調べます。舵という雑誌もありますし、インターネットもありますし、近くの業者でも、当社でも構いません。何でも聞いてください。それで、絞って行って、最後はエイヤーと決める、或いはサイコロ振って決める。完全に全てを知ってというなら、永遠にヨットオーナーにはなれません。サイコロで決めたヨットに、乗りながら、いろいろ知り、進化して、いろんな感覚を得て、うまくなりながら経験していきます。それがみんな遊びであります。

是非、多くの新しいヨットマンが誕生していく事を願います。そして、彼らが新しい世界に、たくさんの面白さを見い出だしていかれる事を望みます。やれば良い事ばかりではありません。しかし、だからこそ面白さがそこにあります。

変な物で、お腹が減らないと、食べた時の満足感は味わえない。病気にならないと健康の満足感は味わえない。多少辛い事もあるのが、我々の満足感の条件でありますから、そんなもんとして、ゲームとして考えたら、いろんな味わいが出てきて、面白くなると思います。まずは、行動ですね。
是非、ヨット始めてください。どうせ何かをやるんですから。何にもやらない方がもっと苦しくなります。

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