第八十一話 季節

日本の季節は明確に違います。これらの度合いは地域によっても異なりますので、一概には言えませんが、でも、どれがシーズンでどれがオフシーズンかと決めてかかるより、その地域によって、季節折々のセーリングを楽しむ事を考えます。

最近では異常気象なのか、北海道でも夏は30℃を越したりしているようですが、夏の乗り方、秋の乗り方、冬と春。九州では冬でも、結構ポカポカ陽気になったりする事もあり、冬の本当に厳しい時期はそう長くはありません。

アメリカでは、東海岸の北部は、冬の時期は本当に厳しいそうで、その前に陸揚げして、冬季のメインテナンスを施して冬を越すというような、冬眠のようなことをする地域もあります。日本の北部が、それにあたるのでしょうが、地域の季節を考えて、乗り方を考えるのも良いかもしれません。

ヨットは海、海は夏というイメージが強く、でも、実際は、真夏の昼間は真冬のように、暑さと寒さの違いはありますが、厳しいものがあります。よって、絶好のシースンは春と秋。九州は冬でも乗れます。夏は夕方が良い。北海道は冬は無理なんでしょうね。

でも、一般的なイメージとして持たれるシーズン、オフシーズンとか関係なく、それぞれの地域での、季節に合わせた乗り方を考えた方が良いかと思います。

福岡では秋はベストシーズンかと思います。空気が夏とは違い、少し冷たくなります。それも寒いわけではありませんし、海水もきれいになっていきます。空気が冷えると、気持ちも少し引き締まる。
緊張感を持ってセーリングを味わうにはベストシーズンです。

冬はもうちょっと着込んで、春はだんだん暖かくなり、そしてまた夏はちょっと一休み。サンセットセーリングに向かう。

季節を意識しますと、ただ乗れる乗れないでは無く、違ったニュアンスが生まれます。季節感を感じます。特定の季節を良いとか悪いとかでは無く、その季節折々のセーリングを味わいます。それは日本人特有の情緒を感じる。それは日本人にとっての変化です。

ヨットにとって日本の環境は決して良いとは言えません。欧米の方が、遥かに施設面とかは環境的にめぐまれています。しかし、無いものはどうしようも無く、日本人的乗り方を考えて、味わったほうが良い。それが季節を感じるセーリング。一歩引いて、今の夏の暑さを嫌がるよりも、全体の四季の流れのひとつとして夏を見る。では、昼間暑いなら夕方に、と考えます。そして、年間の四季の移り変わりを見ながら、全体として楽しんでいく方法を考える。というのはどうでしょうか?

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