第九十二話 お世話になってます

福岡にマリーンテックさんというメインテナンス専門の会社があります。この道30年以上。いつもお世話になっています。ヨットやボート関連の艤装はもちろん、木工、塗装、金具製作、それこそ何でも可能と言って良いと思います。

以前は何艇か、ヨットをレストアして頂きました。チークデッキだって貼りますし、折れたマストの修理だって、先日はカーボンでティラーも作っていました。

関東に比べて、福岡はヨットやボートの数は少ない。それに対してメインテナンス会社も少ないので、逆にあらゆる知識を得て、何でもこなせなければ仕事にならない。以前、関東に行きました折、艤装専門の会社もあって、なる程、数が多いだけに、艤装専門でも食っていけるもんなんだな〜と感心したり、羨ましかったり。

ヨットのメインテナンスは、修理さえできれば良いというものでは無く、美観も必要です。使えて当たり前、同時に美しくなければいけません。センスが問われます。これには我々も悩むところではありますが、美しさは大切ですね。

現在、アレリオン28を入荷しております。納艇準備中ですが、木部のニス塗装、ハル塗装、これにはかなりの手間をかけています。最も目立つところでもありますし。それだけでは無く、今回は後部のみパルピットを設置します。これひとつとっても、いろいろ悩むんです。あれば良いだけでは済みませんし。

でも、それが我々の面白さでもあります。ああでも無い、こうでも無い、見た目はどうか、カーブのラインはどうか、いろいろあります。納期も気懸かりではあるんですが。

細かい部分はそれこそ、いろいろあります。新艇とはいえ、ポンポンとはいきません。バックステーの引きしろはどうか? 今回は少しワイヤーを詰めて、引きしろをもう少し取りました。そんな、こんなで、たくさんやる事はあります。

その他、エンジン専門で見る会社もあるし、電気屋さんもある。カバー類専門の業者さんもおられます。皆さん、経験豊富で腕も良い。マリン業界はマーケットが小さいだけに、ひとつの会社で販売からあらゆるメインテナンスまで全部こなす程の人数を抱えることはできません。分業です。だから、お陰様で私も長年やってこれています。

これからも、できるだけオーナーのこだわりに応えられるようにしていきたいと思います。その為に、いろんな方々にお世話になります。

今回は船名のロゴをオーナーが作られました。船名にもこだわって、どこに貼るか、色はロゴは大きさはと、これも大切なヨットの一部です。お陰様で、これも専門の業者さんが、パソコン上でイメージを作って、ヨットの写真に貼り付けて、イメージを作っていただけますから、解りやすいかと思います。

いろんな業者さんに助けられながらやってます。どれだけオーナーのご希望に添えるかが、いつも課題です。それを楽しんでやる。どうせやるなら楽しくですね。何でもそうです。良い仕事をしたい。それが面白さでもあります。ヨットは遊び物ですから、楽しくでなければなりません。楽しく売って、楽しく乗って頂いてですね。たまに、怒られることもありますが。

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