第三十話 ヨットの履歴書

いよいよ中古市場は、20年オーバーは珍しくもなく、30年オーバーも出てきました。そして、気が付く事は、古いヨットは、昔は年式だけでほとんど判断されていたのが、最近の古いヨットは、その状態によっては、結構高い値段がついていたりします。

中古ヨットは、購入してから、実際に自分がある程度満足できる状態にするのに費用がかかります。メインテナンスが悪ければ、もっとかかります。通常、動けば良しというわけにはいきませんね。
ですが、古くても、ちゃんとメインテナンスしてきたヨットには、その後の費用はあまりかからない。そういう事もあってか、販売価格にばらつきが見えてきました。

ヨットが20年〜30年しか持たないのであるなら、こんなのは通りません。しかし、昔は20〜30年でみていたのが、今はもっと長いスパンを見るようになってきました。50年ぐらいは大丈夫そうだとかですね。ならば、メインテナンスが重要ですという事になります。

車は優秀ですが、そんなには持たないし、10年も経てば二束三文。その点、ヨットは長い。それが解ってきました。という事は、これからは、メインテナンスをもっと重視しましょうという事になります。自分にとっても良いし、売る時にも高く売れる。

という事で、メインテナンスの記録をつけてはどうかと思います。何年に何をしたかの記録です。
ポンプを変えました。セールを変えました。シートを変えました。等々の記録です。それが、今後はきっと役に立ちます。記録です。記憶はいけません。正確で、具体的に記録する事をお勧め致します。

それは、ヨットの履歴書です。詳しい履歴書がついたヨットは、買う側からしたら、安心です。自分にとっても安心です。

ヨットは高寿命は解った。しかし、設置された機器はそうでも無い。日本の家電が優秀だとしても、
そんなには持たないし、みんなそういうものとして納得しています。それでも優秀というレッテルが貼られいます。ヨットはと言いますと、内部に設置された備品とか、家電とは違う過酷な状況で使われているんですから、当然壊れる。でも、かなり優秀だと思います。それらは、いつかは修理されねばらなないし、交換も必要になります。ですから、そういう記録を、是非残して、これから先のメインナンスにも役立てて頂きたいと思います。

20年物のヨットに、GPSがあります。オートパイロットがあります。と言います。しかし、問題は、それ何時の? 20年ももし使っていたら、いつ壊れても可笑しくない。それなら無い方がまし、ともいえます。新しいのつけられますから。古くなったら、有るか無いかの問題よりも、いつ設置したのかの方が重要かと思います。

という事で、履歴ノートを一冊。全部、何でも記録する。できるだけ詳細に。エンジンオイル交換とかでも、記録した方が良い。何でもです。結構、面倒くさいと感じますが、でも、売るときとかは、違ってくると思いますよ、これからは。まあ、メインテナンスしていなければ書きようがありませんが。
すると、メインテナンスしようという気にもなるかもしれません。

実は、あるヨットですが、オーナーがこれと同じ事をされていました。数年前の事ですが、非常に細かく記録が書かれていました。という事は、当然ながら、そのヨットの程度は非常に良かった。25年ぐらい経っていましたが、全くそんな感じはしませんでした。

という事で、ヨットの履歴書はそのヨットを表す記録ですから、できれば、その履歴書をつけて次の人に渡すというつもりで記録されると良いと思います。そういうのが当たり前という時代がもし来たら、メインテナンスはみんな良くなるでしょうね〜。

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