第五十七話 プロとアマ

プロは上手い。豊富な経験がありますから当然です。でも、楽しむのはアマチュアです。どっちが良いかって、アマチュアの方が良いに決まっています。生活かかっていませんから。ゴルフだって、テニスだって、楽しんでプレーできるのは、アマチュアでしょう。

という事は、上手いから楽しいわけでは無いという事になります。もちろん、上手い方が良いに決まっていますが、絶対条件というわけでは無い。どんな結果を期待しているかによると思います。
プロは勝たねばならない。アマは勝ちたいけど、勝たねばならないわけじゃない。

勝てば達成感がある。それはそれで嬉しいものです。でも、楽しいのは達成感だけでしょうか?
目標が高ければ高い程、達成感も強くなる。でも、困難も多くなるのは当たり前。冷静にみますと、
ほとんどが困難で、それらを乗り越えて、最後に達成感が来る。それも、もし、うまくいけばの話です。

なんにせよ、プロになるという事は、結果重視という事になります。それはいかなる困難であっても、乗り越えなければならない。それは楽しむという次元では無いと思います。だから、アマチュアである事の方が、楽しむという点においては良いという事になります。プロにとっては仕事でありますから。

それで、ヨットは遊びであるという事はマチュアとして遊ぶわけですから、それが良い。でも、高い希望を持つと、ほとんどは困難を経験しなければなりません。その代わり、大きな達成感を得る可能性はある。

世間では大きな夢をもてはやす傾向になりますが、どうも疑問が湧いてしょうがない。何故なら、大きければ、大きいい程、困難を伴い、そして達成の可能性も少なくなる。プロなら、高みを目指すは当然ですが、アマはほどほどが良い。そんな夢の無い事を言ってはいけないかもしれませんが、ほどほどの夢や希望を抱いて、プロセスを楽しんで、達成したら、また次のほどほどを目指す。
最初から日本一周を目指すより、どこまでとして、また次はどこまでとか。そして、その過程、過程において、楽しむのが主であります。そんな事を続けて、結果日本一周達成なら良いし、もし、達成できなくても、おおいに楽しんだという実感さえあれば良いのではないでしょうか?

セーリングにおいても、上手にはなりたい。でも、それはある目標点としてより、今より上手になりたいという事を目指して、今のセーリングを楽しむ。そんな事を続けながら、気がついたらかなり上手になっていた、というのが良いのかな。上手になれば、そのレベルでのセーリングを味わえるので、上手になった方が良い。でも、絶対では無い。だから、アマチュアは気楽です。気楽だから楽しめる。

良く、インタビューで楽しんできますというのがありますが、確か、大リーグのイチローだったと思いますが、楽しいと思った事が無いと答えていました。さすがに、プロだな〜と感じた次第です。でも、そのイチローも、趣味の何かをする時は、きっとアマチュアとして楽しんでいるんだと思います。

気楽に、気楽に、流れ、流れていく事象を、その瞬間瞬間で捉えて、いかに楽しむか?楽しむというのは、いろんな味わいをすべて引き受けて、味わいの変化の流れを楽しむ。次はどうなるのかな〜と待つ。そんな感じ?

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