第六十九話 ツーリング

シングルハンドが、セーリングを堪能するには最も適したやり方だろうとは思います。しかし、それを仲間と共有するという事もあった方が、楽しみはまた別の様相を持つかと思います。共有と言っても、いろいろあるわけで、一緒に乗る事もそうですし、セーリングを肴に一杯という方法もありますし、兎に角、自分と相手とで、セーリングにしろ、会話にしろ、楽しさ、面白さ、辛さ、難しさ、何でも共有する事は重要な事ではないかと思います。

シングルハンドで、セーリングを追求する。それも良いですが、もっと堪能する為には、やはり誰かが居てくれた方が良いと思います。最高のセーリングを堪能しても、誰も聞いてくれない、誰も興味を示さない。そういうのも寂しいものです。

最近ではブログとか、ツィッターとか、インターネット上で、見知らぬ者同士でも会話ができる。そういう手段を使っても良いかと思いますが、とにかく、自分の中でフィーリングを得たら、それをそのままにせずに、外に出す。それに誰かが反応する。方法は別にしても、外に出して、ああで、こうでという機会は楽しさを倍増してくれるかと思います。

バイクでツーリングというのがありますが、ヨットでツーリングなんてのも面白いでしょうね。それぞれはシングルハンドでも、仲間と一緒にセーリングです。ヨットではなかなか見られない光景、これがレースという形とも違うと思います。

仲間と言いますと、ひとつのヨットに同乗して走るイメージですが、もちろん、それも良し。でも、二つ以上のヨットで、一緒に走る。バイクのツーリングという形も、ヨットで出来れば、結構楽しいものではないかな〜という気がします。知ってる者同士が洋上で出会っても、一緒に走るという事はあまり無いようです。

私の知り合いで、バイク好きが居ますが、ひとりで走って、どこかで誰かと出会うと、方向が同じなら、一緒に走る事もあるそうな。行った先で、一緒に食事したり。ヨットでも、そういう事があっても良いのかもしれませんが、ヨットはありませんね、そういう事。レースになってしまう。

何とかして、ツーリング仲間を作れれば、月に1回とか、クルーに誘いをかけるのでは無く、別なヨットに今度行きましょうとか、そういう連絡になります。もちろん、相手が都合悪くても、こちらが出せないわけではありませんから、困る事はありません。4,5艇でも仲間が居れば、1艇ぐらいは都合つくでしょう。

でも、我儘なもので、しょっちゅう一緒というしばりがあると、それも面倒になりますから、月1回程度とか、2月に1回程度とか、適当に決めておけば良いかと思います。でも、どうやって始めるかですが、まあ、親しい別のヨットのオーナーに声をかけるしかありませんが、できれば、同じサイズのヨット、同じタイプのヨットが良いでしょうね。速さがまるっきり違いますと、一緒に走れませんし、別に離れても良いのですが、一緒に走っているという事が良いのではと思います。

実際、どうなるかは解りませんが、うまくいけば、結構楽しいかもしれません。これは陸に上がってもヨット談義に花が咲きます。一杯飲むのも楽しくなる。レースの順位も無く、同じ時を共有するという楽しさではないでしょうか?でも、つい速さを競ってしまいます。それは慎んだ方が良いかな。
共有が目的ですから。

こういう機会を持ちますと、恐らく、シングルで、それこそ一艇でセーリングを堪能するという機会に対しても、機会が違うだけに、より面白さを味わえるのではないかな〜と思います。互いの相乗効果を期待できるのではないでしょうか?多分?

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