第七十ニ話 デイ〜ウィークエンド

デイセーラーには、もうひとつ加えた称し方として、ウィークエンダーというのがあります。その日のセーリングを楽しむのが主たる目的ですが、一泊か二泊程度なら、それこそウィークエンド程度なら、クルージングも楽しめる程度のキャビンも備えていますという意味です。

前話で、近場のセーリングオンリーの旅という事を書きましたが、まさしくそれです。数時間で到着する距離の目的地に向かって、セーリングを楽しむ事が目的です。同時に、目的地に到着すれば、旅としての味わいもあります。

狭いキャビンでも、寝るスペースは十分あります。広々したキャビンで食事というわけには行きませんが、その代わりコクピットが有効に使えます。夜空を見上げて、一杯を楽しむ事もできます。

帰りはもちろん、またセーリングして帰ります。来た時の道中とはまた違う。セーリングを楽しん帰ります。どうしてもと言うなら、エンジンだって使えますが、できればセーリングで。少なくとも、行きか、帰りかのどっちかはセーリングオンリーでと思います。

こういう方法なら、セーリングと旅の味わいを両方味わう事ができます。決して遠くへの旅というわけではありませんが、近場を見直してみても良いんじゃないかと思います。

ところで、我が家の近くには、かなり大きな公園があります。ところが滅多にその公園に行く事はありません。ところが、わざわざ車で、遠くの公園に行く事があります。考えてみますと、これはちょっと変ですね。恐らく、その公園の近所に住んでいる人達は、わざわざ車とばして、我が家の近くの公園に来て居るかもしれません。ついつい、遠くの公園の方が良いような気がするんですね。

でも、近くの公園を見直す。それも悪くないんじゃないかな〜と思います。それをヨットにもあてはめて、近くでセーリングで行ける場所を見つけてはどうでしょうか?

普段はデイセーリングを楽しみ、月に1回、2ヶ月に1回、その場所にセーリングで行く。年間には5〜6回行くかもしれません。それも同じ場所に。それをしてみますと、同じ場所ですから珍しくもないが、道中を楽しみにして行くという所が強調され、デイセーリングのように、セーリングを楽しみながら行くという事になります。そして、目的地もありますから、旅の要素もあるという事になります。
これぞ、一石二鳥。デイセーリングのもうひとつの楽しみ方ですね。

旅は道連れと言いますから、そういう時は通常はシングルハンドでも、もう一人、誰かを誘って、それも一泊程度なら荷物は少ないし、行き先によっては現地調達もできますから、これも気軽な、ちょっとした旅になります。いかがでしょうか?

二人居るなら、ジェネカーを使っても良い。普段は、シングルであまりジェネカーを使わない方も、こういう時は、ジェネカーで遊べる場面も出てきます。普段のセーリングにバリエーションができて、これも良いのではないでしょうか?行った先で、夜を過ごし、船中泊ですから、普段のデイセーリングとは様相が異なる。旅でもあります。

デイセーラーの方も、たまにはセーリングの旅も楽しいかもしれません。いかがでしょうか?
気軽なセーリングに気軽な旅。どっちもセーリングを堪能します。

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