| 本気でレースをやってる人達は、セールについて特に気にかけています。何しろ、レース結果におおいに影響を与える要素のひとつですから。はっきり言って、通常のクルージング艇が使うダクロンでは勝てる可能性はありません。どんなポテンシャルの高いヨットでも、セールが伴わないと勝てる可能性は無い。それほどセールの重要性は高い。 クルージングヨットのセールは丈夫さと耐久性が重視されると思います。長期にわたって使う事ができます。多少の型崩れも気にならないかもしれません。でも、セーリングを楽しむようになりますと、ちょっとセールの事が気になります。レーサーのごときセールは必要無いが、従来のダクロン製のクロスカットでも良いが、ちょっと良いセールなんかも気になります。 セールは強い風吹いてパワーを受けますと、伸びます。伸びると形が崩れる。ドラフトは深くなり、後退し、推進力よりも、ヒールする力の方に動きます。それでセールメーカーは伸びないセールは無理にしても、伸びにくいセールを造ろうとします。また、軽いセールは上げ下ろしが楽になるばかりか、弱い風でも広がってくれます。ですから、軽く、強く。ヨットの船体と同じですね。 ダクロンセールを使っても十分セーリングを楽しむ事ができますが、もし、それがよれよれになって、買い替えをと考える時が来たなら、ちょっと上のセールをも考える価値はあると思います。何しろ、セールこそがエンジンですから、セールが変われば、セーリングも変わります。 マイラーフィルムはダクロンをフィルム状にしたものです。フィルムは伸びにくい。ただ問題は、ある一定以上のパワーがかかると破れてしまいます。また、一旦伸びたら元には戻りにくい。そこで、マイラーフィルムに薄いダクロン生地を張ったセールがあります。フィルムの弱さを補う方法です。 また、カットの仕方もクロスカットでは無く、ラジアルカット。 仕方が違います。力のかかる方向性を考えてデザインされま すので、形を保持しやすくなります。 その他、フィルムにどんな素材を貼り付けるか？ いろんな 繊維があります。ご存じケブラーはレースで良く使われていま す。 その他、スペクトラ、ダイニーマ、カーボン、ＰＢＯ（ザイロン） 等々、いろいろあり、混ぜたりして各セールメーカーがいろん な名前をつけて造っています。まあ、いろいろあって、わけわからん、という感じもしないではありません。でも、そこまで行かなくても、もし、チャンスがあるなら、ラジアルカットのセールを試しても良いかもしれません。 ノースセールで言うなら、ペンテックスだそうです。 基本はファーリングジブですし、メインはブームの上に畳んでおきます。いちいち降ろしてなんかしませんから、そういう状況での耐久性とかも必要です。でも、ちょっと良いセールを使うと、ちょっと嬉しくなります。クルージング時はあまり気にしていなかったかもしれませんが、セーリングに注目するようになりますと、ちょっと気になります。 ついでながら、ジェネカーについて。これもいろんな種類があります。ジェネカーと言いますと、一般的にはクルージング用をさすかと思います。クルージングジェネカーです。一方、レーサーなんかが使うのは非対称スピン。形は似ていますが、ちょっと違う。 性能の違いもありますが、取り扱いのし易さという面も 考慮する必要があります。何しろ、クルーが大勢いるわ けではありませんから。 もちろん、これだけでは無く、たくさんの種類があります。 有り過ぎて、困っちゃいます。 ジブ程上れないが、ダウンウィンドとの間を補うもの。まあ、きりがありませ んので、ジブとメインとジェネカーが一枚あれば十分ではないでしょうか？ ショートハンドセーリングでは、何と言っても扱いやすいセール。性能も ありますが、取扱いしやすくなければなりません。 シングルハンドにおけるダウンウィンドでは、ジブブームが最も使い易い。何しろ、ジブをそのまま使えるのですから当たり前です。でも、もし、ジェネカーを使いたくなったら、やはり今の所ファーリング方式でしょうか。シングルでも展開ができます。ジャイブは難しいので、一旦巻いて、ジャイブ後に展開という事が可能になりますので、そこがファーラーの良いところ。 その他、袋に入れた状態で揚げるタイプ。上げた後で、袋を上部に上げてセールを展開。下す時は袋を下げてセールを閉じ、下す。これはシングルでは無理としても、クルーがひとり居れば可能となるでしょう。もちろん、ジブブームを持つジブセールより、ジェネカーの方が軽いし、セール面積もでかいし、走りはもっと面白くなります。手間はかかりますが、その価値はあります。 ジブブームを使おうが、ジェネカーを使おうが、ダウンウィンドは何とかしておきたいものです。ダウンウィンドになった途端に、ちょっと退屈感を感じない為にも。 |