第二十二話 アレリオン33スポーツ完成

アレリオンの艤装が完成しました。これから納艇になりますが、オーナーのご希望で、7月まで福岡に置きます。福岡でのセーリングを楽しんで、それから東京へ運びます。

      
 

 

33にはアンカーロッカーが付きます。中を開けますと、ダンフォースタイプが収納されます。
その下と覗きますと、ジブブームの装置が見えます。

  

ジブブームの根本です。これにシリンダーが付いて、ジブブームを回転させる、つまり、外に押し出す機構になっています。ですから、微風でも、無風でも、ジブセールは外に押し出されます。

  ジブブームの中を通るロープが、ブームエンド
  から出て、ジブセールのクリューに繋がる。
  アウトホールです。
  ブームの下にはブロックが一個ぶらさがり、
  左右のデッキ上のブロックと、ロープが通り、
  左右のコクピットウィンチへ、ジブシートです。

  操作は簡単。シートを緩めれば、ジブは自動
  的に外側に押し出され、引いて調整します。
  風下、風上どちらからでも操作ができます。

  ライフラインは、ジブブームがスウィングする
  あたりは低くなっています。


 

クリートは全てポップアップクリート。使わない時は写真のように下げておきます。上下に可動する
タイプです。可動があれば、水が入る。よって、ちゃんと水の流れが排水するよう配管されています
右の写真、黒いのがそれです。

  ティラーイクステンションが写真のように固定
  でき、ティラー固定になります。イクステンション
  のエンドが、入るようになっています。これで
  オーパイ無しでも、セールぐらいあげられる。

  その下に出ているシートはメインシートのトラ
  ベラーコントロール。








 

トラベラーのコントロールは、左右のコクピットロッカーの中でテークルを組んでいます。
写真では見えにくいですが、ターニングブロックがあって、出口の所にカムクリートがあります。

 

メインシートはコクピット後部のトラベラーから一旦ブームに上げ、ダブルブロックを介して、コクピット中央のバーニーポストにリードされています。これは2スピードになります。2本同時に引けば、
早く引けますし、1本だけ引けば軽くなります。ブロックはラチェット式です。

 

ウィンチ下はシートの収納。使わない時は蓋をして、走る時ははずす。丸いのはカップホルダー
です。もちろん、左右にあります。

  後部ロッカーを開けますと、ラダーシャフト
  が見えます。ロープはラダーの切れ角を
  制御しています。これで十分な切れ角を
  得る事ができます。ティラーを一杯に切れば
  殆どその場で回転します。










  床下はビルジ溜まり。ストリンガーは、モールド
  を使わずに、1本づつ船底に積層しています。
  ビルジポンプはオートとマニュアルの二系統
  です。











 

デッキのマストホールを下から見た写真です。マストはスルーデッキです。マストベースはG10と言われるエポキシ樹脂で作ったもの。非常に硬いです。それから、気が付く事は、通常はマストがスルーの場合、また、ハリヤードのターニングブロックがデッキについている場合、ハリヤードを引いて強いテンションをかけますと、デッキが上に浮いてくる。それで、デッキを下げる役目として、デッキとフロアーを繋ぐか、或いは、船内のマストから、デッキを繋いでターンバックル等で繋いで、デッキが上がらないようにします。しかし、このアレリオンにはそれは不要。ストロングだと造船所は応えています。

  セルフテーリングウィンチの爪は、全て内側
  向きに調整し直しました。ドラムに数回巻いて
  それからセルフテーリングに掛ける時、内側
  にあった方がやり易いからです。

  ハーケンの最新のウィンチです。









  最近のカムクリートは出口がステンレスで
  囲ってあります。これは引く時、どの角度
  から引いても、カムに均等にかかるように
  なっています

  ちなみに、写真はバングとカニンガムです。









      

     低いフリーボードにスリムなハル。クラシックデザインであり、しかし、最新装備、
     最新の走りとスポーティーに、シングルで味わう事ができます。
  

             

                 アレリオン33スポーツ完成です。

次へ        目次