第六十二話 女性の進出

だいたい女性が興味の無いものは、たいして流行らない。逆に、女性が集まると、男も寄ってくる。世界は女性が左右する?そうかもしれません。

ヨット選びは奥さんの力が大きくなります。そして、女性は必ずと言って良い程、おしゃれなデザインで、広いキャビンのヨットが良いとおっしゃる。ところが、その女性が、進水後に、ヨットに滅多に来なくなる。これいかに?

だいたい、女性は、クルージングをしたいわけじゃない。クルージングしますと、時化る日に遭遇する事も多々あるし、それに船内に泊まってとか考えないし、大きなギャレーがあっても、ヨットに来てまで料理なんかしたくないだろうし、例え、温水シャワーがあっても、そこまでしてヨットに泊まりたくは無い。

だから、家を見る感覚で、大きなキャビンとなります。実際のクルージングの事なんかは考えていません。どんなにフル装備であっても、実際は、家に居た方が快適ですし、エアコンの効いたレストランかデパートに居る方が快適なのであります。みんなとは言いませんが。

別荘にもなるヨットとはいえ、そういう見方をするなら、女性にとっては本物の別荘の方が良いのではなかろうか? ヨットはあくまで動くのが前提です。キャビンは長い航海で寝泊りする為にあります。

大きなキャビンのクルージング艇で、プライベートキャビンもあって、ギャレーも充実していて、エアコンあって、温水シャワーあって、云々。でも、奥様は飛行機でいらっしゃる。

ところがです。最近ですが、三人のアレリオンオーナーの方々から、以前は無かったのに、アレリオンにしてからは夫婦で乗る事が多くなったという話を聞きました。三人ではありますが、もっとおられるかもしれませんし、全体数からしたら、率は高いです。

大きなキャビンでゆったりでは無く、デイセーラーで、気軽に快走感を味わう。これには、女性にとっても優雅さと、爽快感を味わう事ができます。それも、長時間ではしんどくなる。短時間で良いわけです。そうやって、セーリングを体感して、セーリングを味わう。時には、舵を持つ事もあるでしょう。そうすると、単なる客的存在では無く、主体にもなれる。

ポイントは、爽快感と短時間、気軽さと帆走性能ではないかと思います。セーリングする時、海面が近い。それも良い要素。それでいて安定性は高い。これも良い要素だと思います。さすがに、夏の暑さはいけませんが、これからの季節、涼しくセーリングができる季節。ちょっと飲み物を持って、さっと出て、2時間前後の爽快感。

是非、奥様、彼女、友人、彼女達を誘って、是非、デートセーリングをして頂きたい。女性にも、セーリングの楽しさを味あわせて頂きたい。そういうのにキャビンは重要では無いと思うのですが。
むしろ、無い方が、その分、高い帆走性能のフィーリングを味わえる。

  ちょうど、こんな感じ?

  女性がオーナーになるケースは、日本では
  まだまだ殆どありません。でも、少しづつで
  も、セーリング体験を持つ女性が多くなって
  セーリングが好きになって、いわゆるセーリ
  ングガールが増えていく事を願っています。
  何しろ、人口の半分以上は女性ですから。
  それに、今や女性躍進の時代。なでしこ
  ジャパン、山ガール、釣りをする女性も多い。

  

ならば、セーリングガールもお出まし頂かなければ!!

それには、クルージングよりもセーリングだと思うのですが、いかがでしょう?それも、デイセーラーで決まり?グッドフィーリングが何よりです。それで、御主人は、別な機会は、レースでも、セーリングを極めるでも、何でも自由です。

大きなキャビンは女性の為にあるわけでは無く、長距離航海の為にある。その船旅に夢を馳せるのは男です。そのヨットをセーリングにも使えますが、やっぱり、ちょっと違う。セーリングから受けるフィーリングは違う。キャンピングカーでドライブするより、スポーツカーの方が楽しいのです。

ロングの航海ももちろん良い。男のロマンです。でも、近くのセーリングも良い。そして、これなら女性でも楽しめる。ただ、男はピクニックだけでは物足りなくなります。だからこそ、セーリングをもっと求めます。それも男のロマンです。

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