第三十三話 贅沢な話

理想的には、沿岸の旅ならボートで行って、日常はデイセーラーで遊ぶ。ふたつも持つのは贅沢な話ですが、あくまで理想ですから。



巡航20ノット、シングルエンジンで、静かに。博多から、長崎のハウステンボス迄なら、途中の潮流なんかも考える必要無く、4時間もあれば到着です。ヨットなら10数時間はかかります。おまけに、潮流も考えないといけません。沿岸クルージングなら、ボートの方が手っ取り早いと言うか、気楽でもあります。ヨットがエンジンで行くのなら、こっちの方が速いし、ヨットで行く良さもあるのでしょうが、こういう考え方も成り立つ。

それで、理想的には、日常のセーリングとしては、デイセーラーを持つ。こんな贅沢をしてみたいもんです。クルージングにはボートで、デイセーリングにはデイセーラーで。

ボートはシングルエンジンで、極力騒音を抑えて造られる。ヨットマンズボートと言われます。シングルエンジンではありますが、バウスラスターを標準搭載していますから、マリーナの出し入れもやり易い。シングルだから、メインテナンスもし易いし、そのプロペラにはスケグ付で、ペラを漂流物から守ります。

船体はもちろん、SCRIMP工法で、固いハルです。滑らかな走りと固いハル、それにディープVの柔らかい乗り心地。スピードさえさほど求めなければ、こんな走りも良い。トローラーよりも速く。でも、フィッシングボートのスピードは求めない。20ノットぐらいの巡航で充分ではないか?

30ノットで走り続けると、なかなかしんどい。ゆったり感は無い。このボートは、まさしくクルージング艇であります。こういう考え方も、船旅を遊ぶというクルージング志向には有りではないかと思うのですが?

ハードトップには、カヤックを積んで、行った先で、カヤックで遊ぶなんて事もありです。サロンクルーザーなるボートも数あれど、もっと遊び方を考えてほしい。だいたい、キャビン内にじっとしていても、たいして面白くは無い。酒ばっかり飲んでも面白くは無い。

こういうボートも良いが、やっぱりセーリングは外したくないので、デイセーラーを別にもうひとつ。そういう贅沢をしてみたい?ちなみに、ボートはツゥルーノース34、アレリオンの造船所と同じで、別部門で建造されています。ちょっとクラシックな雰囲気を持つ、アメリカ東海岸のトラディショナルなデザイン、ダウンイーストスタイルです。贅沢でしょう?

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