第十八話 もてなしの作法

たまにはゲストを誘います。もちろん、セーリングでもてなします。最初の爽やかな気分は30分程度しかもちませんので、そこら辺から、舵を任せます。真っ直ぐ走る事を指示して、きっとジグザグになりますから、アドバイス。そこが楽しい処です。

どんな方でも、舵を持つと気分が良くなります。何だか自分が走らせているんだという気分になれます。おおいに、そういう気分を味わってもらいましょう。時に、多少風が強くて、飛沫を浴びる事があっても、オーナーがそれを避けてはいけません。オーナーが大笑い。すると、ゲストもそういうもんなんだと思うでしょう。そういうもんです。

ゲストは非日常を味わいたいはずですから、おとなしめのセーリングでは満足できません。ワーキャー騒ぐぐらいが丁度良い。そんなセーリングを味わったら、また、乗りたいと思う人は多い。過去に聞いた話では、おとなしめのセーリングに乗った人ほど、また、とか言いながら、2度と来ない。
一体セーリングの何が面白いんだとかになりかねません。

残念ながら、風が無かったら、そんな時は、普通はこうじゃないんだ、本当はもっとエキサイティングなんだと説明しておいた方が良い。

ゲストをもてなすのは、遊覧しながらのお弁当ではありません。セーリングそのものが、最も面白いエンターテインメントなのです。だから、船上でお弁当食べようとか考えないで、吹かない時は仕方無いですが、風があるなら、セーリング第一でお願いしたい。お弁当は、マリーナに帰って、コクピットでゆっくり頂きます。ヨット談義をしながら。

これぞ、正しいゲストのもてなし方?

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