第五十七話 動機と持続

全ての行為には動機があります。テレビを見てますと、事件が起こった時、刑事は動機は何なのか?とかそういう事を追求します。ひところ、無差別何とかとかの事件があり、動機無き何とかとか言われる事がありますが、それだって本当は動機がある。ただ、我々一般が考えられる動機とは違っていて、理解できないというだけでしょう。全てに必ず動機があると思います。

ところで、ヨットをやる動機は何でしょう? 何でも良いんですが、例えば、ステータスとか、そういうのもあります。昔ですが、アメリカのキャデラックという高級車。我々のライバルは他の車では無い、宝石や毛皮とか、そういうステータスになるものこそが、ライバルであるという話もありました。それはステータスという動機であります。

まあ、ヨットにもそういうステータスはあるんでしょうが、街中を走るわけじゃ無いし、ちょっと弱いかな? でも、隠れた処に、そういうステータスを持つというのも、いざという時は大きいです。高級車は最近では珍しくもありませんが、ヨットの所有というのは、圧倒的に少ないですから。

異性にアピールするという動機もあります。彼女を乗せてピクニックセーリング。これも良いですね。一度はそういう事やってみたいな〜と思ったり。

いかなる動機でも構わないのですが、一旦入り込みますと、最初の動機だけでは続かない事もあります。ですから、動機というエンジンに、さらなる燃料を加えて、燃やし続ける必要があります。そうしないと、長く続けるなんてことはできません。

その燃料は、何といっても面白いという精神的高揚という燃料。これに勝る燃料は無い。場合によっては、核反応的な強烈なパワーを生み出す事もあります。

我々を動かす動機とは、全て精神的なパワーであります。楽しさ、面白さ、感動、スリル等々。これらの燃料を創りだすひとつの方法がゲームの創造であります。ゲームだからこそ、面白さもありますし、しんどい時だって、対応できる。ゲームの創造は、動機を維持したり、我々を勇気づけたり。

ヨットというものの特徴のひとつとして、長期間に及ぶという事があります。それに、知識と技術が少なからず要求されます。動機は何であれ、その後の持続できる燃料が非常に重要であります。
そして、それには面白さを持つ事こそが最大の持続燃料かと思います。だから、面白さを生み出す方法も考えなくてはなりません。面白ければ面白い程、何だって乗り越えられる。

それで、面白さとは何か? 楽しい事を含めて、新しい事を知る事、成長する事、進化する事、考えて解を得る事、等々、ただ楽しいだけでは無いと思います。楽しいだけなら、燃料としてはちょっと弱いかな? 過程にはいろいろありますが、ゲームとして全てを受け入れる事という事になるかもしれません。達成感はボタンひとつじゃ味わえませんし、もし、ボタンひとつで達成したら、面白くも何とも無いわけですから。自分なりのゲームを創造する事が重要なポイントかなと思います。

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