第三十六話 日本人

日本人というのは、我々が思う以上に、かなり優秀なようです。欧米人に追いつき追い越せと頑張ってきた日本人。気が付いたら、叩いても、叩いても、出てくる。経済でも、オリンピックでも、相当前を走るようになりました。そうすると、ルールが変わったりするんですが。だからと言って、自信過剰もいけませんが、でも、何も自虐的にならなくても良いような気もします。

しかし、ヨットに関しては、全く歯が立たない状況かもしれません。でも、これもいつかは追いつくのではなかろうか? 否、今の状況では難しいか? 何しろ、世代交代がうまく行って無い。何も、追いつく為にやる必要は無いのですが、でも、楽しむという点において、もっと欧米を見習っても良いかもしれません。日本人は、目標を持って頑張るのは得意なのですが、頑張らないのは苦手なのです。目標を設定してしまうと、頑張ってしまうのが日本人のDNAなのかもしれません。

一日中、コクピットでのんびりする。何も頑張らない。そういう事ができるのが欧米人で、日本人はそんな事ができないし、やっても退屈感を感じてしまう。これはもう、国民性なのですからどうしようも無い。だから、遊びに対しても、頑張ってしまうんです。頑張る処が無いと、どうも充実感に欠けてしまう。そういう具合ではなかろうかと思います。

それで、今更、欧米人のようにはなれないし、日本人がどこかで充実感を得る為には、どこで頑張るかという事を考えますと、それゃあデイセーリングが良いだろうと思うわけです。そこで頑張って、いろんなセーリングを味わってこそ、その他の場面においても、のんびりもできるし、トータルで充実感を味わいながら楽しむ事ができるのではないかと思う次第です。

これが、日本人気質に沿った、日本人流の遊び方として相応しいやり方ではなかろうか? もちろん、例外の方もおられるし、ロングクルージングを楽しまれる方もおられる。でも、一般的にという事です。それが日本人スタイルとして定着していけば、より多くの方々がヨットを充実感を持って楽しむ事ができるのではなかろうか?

よって、デイセーリングにはデイセーラーが最も相応しいのですが、それだけでは無く、あらゆるヨットに対して、デイセーリングをいかに充実した遊びとして捉えるかを考えて頂ければと思います。
デイセーリングを中心に据えて、その周りのクルージング、レース、別荘的使い方を考えて頂ければ、日本人による、日本人の為のヨット遊びが確立できるのではなかろうか? と勝手な想像をしております。実際、そういう使い方をされている方が最も多いのではなかろうかと思うのですが、それを敢えて、意識的に行うという事であります。

実際、デイセーリングを頑張りますと、それは実に簡単にできて、しかも、かなり深いセーリングを味わう事ができます。これは何も外洋に出ないとできない事でも無いし、セーリングはセーリングなのであります。そこに面白さ、充実感を得て頂きたい。ですから、真剣に真面目に、集中力と観察力を持って対応します。そうすればする程、コクピットで飲む一杯のコーヒーが、実にうまくなるだろうし、仮に、たまのピクニックセーリングにおいても、より楽しむ事ができるのではないかと思います。

それで、このスタイルこそが、日本人スタイルとしてこれまで提案してきましたし、今後も、もっと深めていきたいと思います。

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