第七十五話 デイセーラー以外

デイセーラー以外で取り扱っている唯一のヨットがアルコナヨットです。このヨットはハイパフォーマンスを基本にした、ロングのクルージングをも想定したヨットです。クルージング主体のヨットであれば、扱う事は無かったのですが、あくまでセーリングを楽しめるヨットとして、また時にロングクルージングにみ十分耐えれるヨットであります。 ーCE規格Aというのは、どのヨットも取得していますが、アルコナは注釈として、7mの波で、風速ビュフォート10(24m〜28m)の状況で、5日間以上の単独航行を可能とした規格に合格しているとありますー

デイセーラーの大型艇はこれに近づいているとも言えますが、デイセーラーはあくまでシングルハンドを想定し、アルコナヨットはシングルというわけではありません。ただ、二人居れば、十分。そして、オートパイロットを使えば、慣れた方ならシングルも可能にするでしょう。ただ、デイセーラーよりはボリューム感はあります。いずれにしろ、セーリングを楽しむ事を第一に、キャビンをどう考えるか? それ次第であります。

レーサーは速い、もっとハイパフォーマンスでしょう。でも、そのパフォーマンスを得るにはクルーが何人も必要になる。それは、当社の意図する処ではありません。あくまで、シングルか2,3人以内で、セーリングを楽しめる事。セーリングの条件において、いろいろ足かせがあると、なかなか気軽に楽しむ事ができなくなります。だから条件はできるだけ低く。

キャビンは確かに、ロングクルージングの旅を楽しむには必要です。しかし、ショートなら、デイセーラーでも行けるし、ホテル泊まりも兼ねるなら尚更です。ロングクルージングにおけるキャビンを重視して、セーリングが劣るなら、それは当社扱いには選択しない。もちろん、ロングクルージングを好きな方はそれで良いのですが、なかなかロングには行ける方は少ないし、現実はデイセーリングが多い。その多いデイセーリングを軸に、いかに楽しめるかを考え、そして、プラスアルファとしてのキャビンは当社で言うなら主に対する従と考えます。あくまで主役はデッキの上。

それで、セーリング中心になりますと、硬い船体が必要になり、安定性も必要になる。そして、艤装のアレンジです。パフォーマンスも重要ですし、フィーリングも重要です。鋭敏であり、でも鋭敏過ぎない。軽い船体も強度を損なわない、いろんな条件があります。

次へ       目次へ