第48話 中大型艇の使い方

中大型艇はロングを走るに相応しい。小型艇に比べてやはり疲れ方が違う。何日も走るなら
やはり楽な方が良い。だからロングは大きい方が良い。それにロングは一人で走るより、仲間
が居た方が面白いし、安心でもある。そのスペースも必要となる。

大型艇をつかいこなすには、ロングを走るだけでは不充分なのです。何故なら、長い年月の中
で走っていない時間の方が多いからです。もちろん、ショートを走っても良い。でも、小型艇ほど
気楽に出せるようにはならない。そこで、桟橋に係留したまま、いかに楽しむ事ができるか。こ
れが大切ではないでしょうか。大きなキャビンがあるのですから、これをいかに使いこなせるか
が鍵ではないかと思うのです。

アメリカなどでは、金曜日の夜に来て、船内に泊まる。土曜と日曜を過ごし、月曜日の朝、ヨット
から出勤という人達も多い。また、ヨットに住んでしまう人達も実に多い。マリーナの桟橋には
ちゃんと専用の、電話回線も来ていれば、電気、水、そしてケーブルテレビの線まできている。
郵便だって、ちゃんとヨットに配達してくれるのです。ヨットに泊まって、そこを基点にうろうろする
事もあるだろうし、読書したり、奥さんが編物していたり、ミニパーティーはしょっちゅうやってる。
別荘そのものです。こんな人達がたくさん居るのです。だから、マリーナはいつ行ってもにぎや
かですね。

大型ヨットは別荘的感覚も持ち合わせないといけません。そうでないと、キャビンは宝の持ち腐れ
となってしまいます。この別荘的感覚を持たないなら、キャビンなど殆ど使う事がありません。
さらに、この別荘感覚を日常のものにしておく必要があります。

日本にも別荘を持った方々はたくさんおられます。ちょっと前になりますが、5月の連休に別荘を
借りた事があります。5月の連休といえばゴールデンウィーク。なのに、別荘に来ている方はほん
のわずかでした。実は、2回行ったのですが、2回とも同じ状況でした。ヨットよりもっと広い、快適
なはずの別荘に、殆ど誰も来ない。これが現状です。ならば、誰がヨットに来るだろう?当然の疑問
ではないでしょうか。

もっと、別荘感覚を持ちましょう。別荘でどうやって楽しむかはそれぞれですが、何かをすると気負う
より、何もしなくても、そこに居るだけで気分の転換や、安らぎや、日常とは異なる感覚を楽しむ。
家族みんなで料理したり、ご近所と会話を楽しんだり、桟橋から釣りをして良い。これを気楽にできる
かどうかにかかっています。これをたいそうに考えると、別荘感覚は特別な物になり、めったに使わ
ないものになってしまいます。

小型ヨットなら、別荘感覚というより、キャンプ感覚を持ち合わせたら、さらに楽しむ事ができますね。
小型ヨットのオーナーにも楽しんでもらいたいと思います。狭くても良いじゃないですか。テントより
はるかにましではないですか。それに慣れれば、ちょっと夜間航行だってその気になれば楽しめる。
気楽にやれるのです。

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