第二十二話 ガラパゴス的日本

ガラパゴスは南米のエクアドルに属する島、隔離されたせいでそこに住む動物等は独特の進化を遂げてきた事で有名です。そう言えば、日本も島国。世界を見渡しても、やっぱり独特の進化を遂げてきたように思われる。日本という国は、良くも悪くも、世界とは全然違う。違うだけなら良かったのだが、民度は高く、だから急成長を遂げてきた。こんなガラパゴス的日本がここまで成長してきたのは奇跡かもしれない。という事は日本人は奇跡の民族という事になる。

世界とは異なる文化を育んできた日本。世界がまだまだ発展をどんどん続けている頃、世界、特にアメリカが余裕の頃、日本が独特の発展の仕方をしようが何しようが、世界は気にも留めて来なかった。しかし、それがやがて無視できなくなる。エコノミックアニマルとか言う非難もあったし、特にバブルあたりから状況が変わってきた。発展した日本経済の影響力が大きくなり過ぎたからだろう。だから、アメリカは経済構造協議とか言って、いろんな要求をしてくるようになった。協議でも何でも無い。ただの押し付けである。

そこから、さらにグローバリズムとか言って、ガラパゴス的日本を、世界仕様に変革しようという動きになる。日本が後進国であるうちは、ほっといても良かったのだろうが、これだけ経済力があった日には、日本独特の文化と言っても、世界は許さないと言っている。世界標準仕様に合わせろてなもんです。

世界標準仕様とは何か? 多分、特にアメリカの言う合理性でしょうね。文化や民族なんか関係無く、合理的な考え方。強い物が勝ちとは言わないが、頑張った者が勝つという言い方になる。それなら、皆が納得するから。理由のわからない文化習慣なんかは邪魔である。それこそ自由だ。全ての人々に自由を。自由になったら、頑張った人が勝利する。それが平等?

グローバリズムこそが、これからの日本が生きる道だと唱える人達は多い。それがもし、長年の間に浸透していくと、日本もやっと世界の仲間入り? 弱肉強食のワイルドな世界へようこそと歓迎されるのかもしれない。一旦はぶちのめされて、でも、そこでも、やがては大国になるかもしれないな〜、日本は。何十年先かは知らないが。否、その時はもはや日本じゃ無いかもしれないが。

先日見た映画、終戦のエンペラーでは、天皇陛下とマッカーサーの有名な会話が印象的だった。世界のどの国の王様があんな事言うだろう。それが日本なのであります。

2600年続く日本独特の文化を捨てれば、考え方も生活の仕方も世界仕様になる。そうすればヨットはもっと売れるだろう。世界は国境を越えて、頑張った者と頑張っていない者とに分けられる。そして、頑張った者は世間に気を使う事無くヨットをどんどん買える。

影響力が小さいうちは可愛いもんだが、影響力が大きくなったら、独特なんか許さない。だからアラブ諸国だって、彼らは民族、宗教において独特ですが、彼らがバラバラであるうちは石油さえ出しておけば良かった。しかし、一致団結しようとすると、世界が許さない。何故なら、彼らには石油という強力な武器があるから。彼らが団結すれば影響力は計り知れない。

そう考えると、世界の動きが解ってくる。世界は強国の勝手で動く。民主主義と人権というきれいな言葉で攻撃する。日本という独特の文化を維持したければ小国で居ろ、大国になりたかったら、世界標準に合わせろと言われているような感じ。でも、既に経済大国になっちゃった。ただ、最近は強国の理論はいわゆる頑張った人の論理でもあるようだ。

さあどしよう。戦後レジームからの脱却という安倍総理が掲げたテーマは最大の難関かもしれない。日本がこの先どうなるか? 大きな転換点に居るような気がする。当社にとってはヨットが売れれば良いのだが、日本というガラパゴス的文化(瑞穂の国)はやっぱり捨てがたいな〜。 消費税ももう決定したようだし、TPPも入るようだし、一体その後はどうなるか? 世界デビューするんだろうか?

今回はヨットには殆ど関係無い話で恐縮です。ちょっと最近、気になる事を傍観者的に書いてしまいました。ご勘弁頂きます。ヨットに限定したネタで書き続けるのはなかなか難しいので、ちょっと寄り道であります。まあ、とりあえずはデフレ脱却を願うのですが。これも大国は嫌うようですが。

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