第三十四話 セーリングにおける三要素

セーリングを決定づける要素として、風向に対するセールの角度、風速に対するセールの形状、そして走るコース取り、これら三つの要素がセーリングにおける重要なファクターであり、これらをどれぐらい意識して走るかによって、その時のセーリングにおける面白さのバリエーションというものが決まって来るのではないかと思います。

セーリングにおいて、いろんな艤装の調整というものを行いますが、全ての調整は、これらの要素において判断され、オーナーの意図に適合していなければならない。初心者であって、取り扱う艤装が少ないにしても同様であり、やっぱりこれらの要素は重要な要因になり、面白さの源泉ではないでしょうか?

それで、どれだけ意識するかは、それぞれのオーナー次第になりますが、意識されればされた分、行動に現れ、面白さとなって返ってくるのではないかと思います。

従って、これら三要素を、ひとつづつセーリングに加えていく。最初は適当にセール形状を設定して、風向に対するセール角度にのみ意識を集中して走る。次に、風向に対するセール角度を一定にして、セール形状に意識を向けて走ってみる。さらに、目的地を勝手に設定して、そのコース取りを意識して走ってみる。最終的には、これら全部を統合させて走ってみる。

ひとつひとつを洗練させて行く事も必要ですし、全部を統合させた走りを洗練していく事も重要です。何故なら、やった人だけにしか解らない面白さがそこにあるからです。では、やらない手は無い。
練習が遊びで、遊びが練習になります。意識したセーリングが必要になります。

で、ときにはピクニックもデートセーリングも楽しみます。セーリングの全てがそこにあると思います。それが最もできるのがデイセーリングでありますし、そのデイセーリングに最も使えるのがデイセーラーという事になります。

デイセーリングをあまり重視しない方々が多いかもしれません。何しろ、目の前ですぐに誰でも出来る事ですから。大抵の人は、もっと遠くやすごい事にしか注意を払いません。でも、そこにセーリングの全てがあるとしたら、それも気軽にできるとしたら、これは無視できませんね。目の前にすごい事があるんですから。灯台下暗しとはこの事かもしれません。

誰かが世界一周しようが、そんな事関係無い。どうでも良い。世界にしかヨットが無いのでは無く、目の前にセーリングがある。その方がよっぽど自分のヨットライフの為には重要だと思います。せっかくヨットを手に入れた、或は、手に入れるとしたら、滅多に使わないヨットより、使えるヨットの方が良いし、乗りたくなるヨットの方が良いと思います。

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