第三十六話 風域

微風はいかに走らせるかが問題であって、退屈感との戦いになるかもしれない。でも、強風だったら、その風速によっては恐怖と戦う事になる。それは逃げるかどうかの戦いになるかもしれない。
強風で、それをスリルと感じれる範囲なら楽しめる。恐怖だったらやめとくか。それがどの辺りになるのか?それを知る事は結構重要な事ではないでしょうか?

最小セール面積でどこまでなら楽しめるか? それはヨットの性能と自分の性能にも寄ります。何も強風を求める必要は無いが、偶然にでも強風に出くわしたら、そういう事を知るチャンスでもある。フルセールが無理なら、徐々にセールワパーを弱めるという方法もあるが、一気に最小パワーまで落として、余裕があるなら、徐々に広げていくという方法もある。

兎に角、風速何メートルでどういうセールパワーにするかという目安をつけられると、気持ち的にも余裕ができる。可能かどうかのギリギリでは無く、スリルとして楽しめるかどうか。

もちろん、強風ではスプレーも浴びる。スプレーが嫌だという気持ちが強ければ強風でのセーリングはできないし、ドジャーの陰に隠れるばかり。でも、海に出たなら濡れても当たり前と思えるなら、強風だって、スプレーだって楽しめるかもしれない。さすがに冬は濡れたくありませんが。

微風だったら、こうしよう、強風だったら、こうしよう、そして、どこまでの風域だったら楽しめると分かってくれば、その微風と強風の間もどういう具合にしようと探っていけば、自分がどういう具合に楽しめるかが解ってくる。

強風何メートル以下なら、スリルとして楽しめる。その乗り方も解る。それ以上なら無理せずにセール下ろして帰ります。そのある程度の基準みたいなものを是非、チャンスがあったら試してみてはと思います。

ジブを巻き取って、メインをリーフして、1ポイントリーフで良いんじゃないかと思います。2ポイントしないとという程吹いているなら、帰った方がましかもしれない。それで、1ポイントで走る。もし、少し余裕を感じたら、ジブを少し出す。或は、もう少し。セルフタッキングの様な小さなジブなら、全部出してみる。様子をみながら。最小セールから、徐々に増やしていくのも手です。

マリーナを出る時に、結構風強いな〜と感じたら、最初からメインは1ポイントリーフで上げて、様子を見ていくのも手かなと思います。

それで、強風にある程度の目安が付けられたら、今度は微風側です。ジブとメインでどの程度まで走れるのか?それ以下ならどうにもならない。その微風で満足ならそれでも良い。多分そうはならないと思います。それで、微軽風用セールを使う。

これで、微風から強風までの目安ができる。セールの最小と最大をプランして、そこでのセーリングの目安をつける。その風域内でのセールコントロール遊びを自在に遊べるようになりますね。それ以上なら無理せずに帰ります。判断もし易いです。そうなると気持ち的にも楽になれるし、余裕を感じれるようにもなると思います。

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