第二十六話 サイズ

デイセーラーのサイズもいろいろありますが、その多くは28〜33フィートあたりが最も多いです。それは多分、そのサイズが欧米でも、丁度良いサイズとされているのかもしれません。

このサイズのクルージング艇なら、かなりボリュームがでかいのですが、デイセーラーはスリムですし、フリーボードも低いので、ボリューム感に圧倒される事はありません。だからそういう意味では気軽さが生まれます。

シングルでの操船、セーリングの探求、パフォーマンス、安定性、そこそこのキャビン容量、等々を考えた時、最も良いサイズなのかもしれません。

もちろん、これ以上の大きなサイズもあります。デイセーラーコンセプトから伸びてきたとでも言いましょうか、結局、こういうでかいサイズには、キャビンが拡大されます。とは言いましても、デイセーラーにしてはという意味で、クルージング艇のそれとは違います。これは従来のデイセーラーコンセプトにプラス、クルージングとしての機能の拡張です。

30フィート前後のヨットは、セーリング+ウィークエンドクルージング程度と考えますが、でかいサイズになると、そのクルージングの足を伸ばせる。基本コンセプトは同じです。そして、サイズが大きくなると、電動ウィンチなんがが標準に設定してあります。

サイズは、結局、基本のセーリングにプラス何を想定するかになると思います。ショートクルージングの範囲内であれば、30フィート全後で充分だろうと思います。それ以上なら、サイズがでかくなる。一方で、もっと、もっとセーリングを突き詰めて、もっとセーリングにハイパフォーマンスを求められる方に対しては、同じ30フィート前後でも、もっとスポーツ化したデイセーラーもあります。

結論的に言えば、セーリングを堪能するには、やっぱり30フィート前後が最も良く、特にスポーツ化を狙ったとしても、やはり30フィート前後。そして、クルージングの程度をどうするかによっては、大きなサイズという事になると思います。

もちろん、これらより小さなサイズもあります。もっと気軽にセーリングを楽しめる。ただ、その分、キャビンは小さくなります。しかし、小さくてもデイセーラーとしてのパフォーマンスを持っていますし、セーリングを堪能できる事に違いはありません。サイズが小さくなりますと、より一層気軽さを持つ事ができます。要は、キャビンサイズをどうするかという事になるのかもしれません。しかし、デイセーラーはキャビン重視ではありません。サイズが如何程であろうと、セーリング第一なのです。

セーリングを堪能するに、大きければ良いわけでは無いと思います。サイズが大きい方が楽だとは言われてきましたが、クルージングならそれも一理あると思いますが、セーリングを遊ぶという意味では、別に楽したいわけでは無い。面白いセーリングを味わいたい。何もしなくて良いセーリングよりも、いろいろ操作して遊びたい。その結果が30フィート前後なんだろうと思います。

デイセーラーはセーリングを遊ぶ事が基本です。サイズが大きかろうが、小さかろうが、セーリングを堪能する為に、その最適化を狙って、建造されています。

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