第四十四話 スポーツカー

デイセーラーをスポーツカーに例える事が多いのですが、その理由は、両者が似ていると思うからです。スポーツカーはそのデザインにおいて、やっぱり格好良いです。そのスポーツカーを手に入れたとしたら、どういう風に使うでしょう。

通勤に使えます。遠方への旅行に使う事もできます。買い物に使えます。ドライブを楽しんだりもできます。何にでも使えます。でも、大人数は乗れません。乗れても窮屈です。大きな荷物も積めません。それでも、スポーツカーは人気が高い。何故なら、そのスポーツカーにはワクワク感があるからです。ただ、スポーツカーは二台目です。一台目にはセダンがあるから、二台目は用途が制限されても良いんです。一台目は用途が重要です。でも、二台目は、面白さ、楽しさが重要です。かっこ良さだってそのひとつです。

ヨットは二艇持つ事は難しい。だから一艇になりますとセダン的な考え方になります。しかし、ヨットは遊び物、楽しさとか面白さが主役です。そう考えますと、セダン的な考え方が必要だろうか?何にでも使えるような発想が必要だろうか? もちろん、遊び方にもよりますが。

それで、ヨットに関しては、車で言う処の、スポーツカーを一台目に持ってくる。ドライブを楽しむわけです。スポーツカーは、その走りもあるし、加速感やカーブを廻る時のフィーリング、ブレーキやレスポンスやいろいろあって、ただ、最高速度何キロだけが重要では無い。ドライブ感全体を楽しむわけです。その為のボディー剛性があり、足回りの強化とか、あまり詳しくは無いのですが、そのドライブ感をサポートしていると思います。それがスポーツカーと他の車との違いかと思います。
つまり、ドライブを楽しむとはそういう事で、ドライブフィーリングなのです。

それは、デイセーラーと実に良く似ています。 スポーツカーには最高速度が、例えばですが、
200Kmとか250Kmとか、300Kmとか、いろいろあるわけで、すべてが最高速度を楽しむわけではありません。その走りのフィーリングがそれぞれに違うでしょう。ドライブした事ありませんが。
時速300Kmなんか出せる処は日本中、どこにも無いのです。でも、それ以下のスピードであっても、加速感とかは違うでしょう。カーブを曲がるのも違うかもしれない。フィーリングなんですね。

デイセーラーも全く同じです。その美しいデザインと、そのドライブを楽しむわけです。スポーツカーと同じように、パフォーマンスもいろいろあります。セールフィーリングを楽しむわけです。このデイセーラーもスポーツカーと同じように、何でもできます。

ヨットの一艇目はセダン的発想? それが果たして有効なのだろうか? キャビンの居住性、クルージングという旅、普段の使い方、等々を考慮した時、本当にセダン的発想が有効なのだろうか? 全ての疑問はここから出発しています。

それで、結論は、デイセーラーこそ、一艇目に据えても良いのではなかろうか? 何故なら、ヨットはすべてが遊びだから。遊びにはワクワクする感じが似合います。デイセーラーはスポーツカーならぬ、スポーツヨットです。でも、レースとは違います。セールフィーリングにワクワクします。

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