第五十三話　セーリング重視

最近、レースに夢中というわけでも無く、それでもセーリングを重視される方々が少しづつ増えてきたと感じます。セーリングをレース中心に考えるわけでは無く、普段使いのセーリングとして、より面白いセーリングをしたいという事です。もちろん、たまにはレースにも出られるでしょう。ですが、あくまで、普段使いのセーリングを中心に考えられます。

これは、非常に良い傾向で、まさしく、私が願っていたセーリングスタイルです。多くの場合、強い風なら、セールを縮小する方向ですから、セールをリーフして、スタビリティーが寄与します。ただ、問題なのは、微軽風時です。こういう風は退屈感が出てきます。そこに少しでも速いセーリングを味わ得るなら、俄然、面白さが違ってきます。

クルーが居る時、居ない時、クルーが居るならいろんな事が出来るかもしれない。しかし、シングルの時はそうは行きませんので、シングルでの微軽風対策という事になります。それで、ある程度満足できる走り方を求め、クルーが居る時でも、そのまま使えます。

要は、セーリングはレースの為では無く、自分の日常のセーリングを面白くする為で、それこそがデイセーラーの目指す処であります。レースは出ても、出なくても構わないが、日常が面白い事が重要で、それがあるからこそ、他のピクニックやレースにしても面白くなると思います。

その日常セーリングにおいて、最も何とかしたいというのが微軽風時です。ある程度以上吹くのなら、ジブとメインで結構楽しむ事ができますし、それはデイセーラーの高い安定性が寄与します。
しかし、微軽風となるとそうはいきません。でも、これを面白くできるなら、セーリングは変わりますね。

それで、ご提案しているのが、ファーリング式のジェネカーやコードゼロみたいな微軽風用セールです。クルーが常に居るなら、何もファーリングにする必要もありません。

ジブとメイン以外に何枚もセールを持つというのは面倒くさいかもしれません。それで、微軽風対策として一枚。

ヨットに関して、多くの方々が、既成概念に囚われる事があります。ダウンウィンド用のジェネカー。
セールメーカーの資料では、これはダウンウィンド用です。でも、実際走りますと、アペアレントにおいて、８０度くらいは走れる。先日、ある方がリーチャーを作られました。これですと、アペアレントで確か６０度近くまで上れたと思います。もちろん、上り用のセールではありません。

上りではより大きなストレスがセールにかかりますので、セールも丈夫である必要があります。しかし、微軽風対策としてのセールであるなら、軽い生地で上りも含めたセーリングも考えても良いかと思います。

レースとしてのセーリングを考えるなら、また別になりますが、普段使いのセーリングであって、しかも、レースに出たとしても優勝を狙うわけでも無いというのなら、別に構わない。多少、走る角度に制限が加えられたとしても、微軽風を面白くしたい。そういう事で、ある程度の上りと、下りをカバーしたい。それも一枚のセールで。それをファーリングにします。

言うならば、リーチャーの様なセールをファーリングにしてはどうか？リーチャーはリーチング用のセール。もちろん、生地はスピン生地。セールメーカーはからすれば邪道なのかもしれません。でも、楽しめれば良いし、それがどういうセールなのかが解っていて使うなら良いと思いますが？

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