第四十四話 ヨット職人

物作り日本という言葉を良く耳にします。確かに、日本製は素晴らしい。品質は最高。世界で絶賛されています。ところが、欧米でも、職人になると話しは違ってくる。彼らはレベル高いです。

世界が大量生産に向かった時、それは職人が必要とされなくなった事を意味します。恐らく、世界では、素晴らしい技術を持った人と、そうでは無い人の格差が相当大きいのではなかろうか? だから大量生産時代には、職人があまり必要では無く、その格差が品質を左右する。ところが、日本人は、平均レベルが高かった。その違いでは無かろうか?

デイセーラーを建造する造船所はみんな小規模です。職人さんが活きる世界です。昨年、イタリアに行き、その職人魂に触れる事ができました。イタリアに対する一般的なイメージと違って、職人さんは素晴らしいです。どこの国でも、本物の職人は同じだろうと思います。アメリカで出会った職人さんも、やはり素晴らしかった。祖父の代から三代、同じ造船所で職人をしてきた人も居ました。そうでなきゃ、人類は宇宙に行けないし、あのバイオリンの名器、ストラデイバリウスだってできなかった。デイセーラーは職人が活きるヨットです。

  
  イタリアのガレッティーさん  

次へ       目次へ