第六十四話 デイセーリングの復活

もう随分前の事ですが、これからはクルージング艇が主流になると言っていた方がおられます。それも量産化したプロダクション艇が主流になると。確かに、その通りになってきました。一部のレース愛好家を除いては、殆どはそうなってきました。

アメリカでも、当時、多くの方々の遊び方はデイセーリングだった。そこにプロダクション化したクルージング艇が入ってきて、大型化して、別荘になって、動かなくなってきたという記事がありました。
日本では、別荘にこそしなかったものの、やはり稼働率は落ちてきた。状況は同じです。

アメリカでは同時期に、現在のデイセーラーの登場もありました。一部の少数派の支持を受け、当初は苦戦を強いられたものの、徐々にその支持は拡大され、現在は、世界各国の造船所がデイセーラーを建造する様になってきました。

この意味する処は、セーリング自体を楽しむという昔のスタイル、デイセーリングの復活だと思います。フル装備のでかいキャビンも使い方のスタイルによっては良いのかもしれません。しかし、みんながそれで満足したわけでは無かった。セーリングよ、再び、という事だと思います。第一、その方が気楽で、面白い。

下の写真は32フィートのデイセーラーです。しかも、キャビンは一切無し。セーリング愛好家は、ここまで来た。セーリングさえ楽しめれば、キャビンは不要という方々まで出てきた。これは極端な例ですが、欧米では、セーリングそのものを見直す様になってきた証拠だと思います。
動かない、でかいクルージング艇を尻目に、スイスイとセーリングを楽しむ。そういうセーリング派が増えてきた。これからは、デイセーリングの復活です。本当はセーリングそのものが面白い。そのセーリングはヨットじゃないとできません。

  
  フッド32

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