第七十二話 Flyer 33

旅をする為に造られたヨット、別荘にする為に造られたヨット、レースの為、そしてセーリングの為、何だか、最近はヨットの用途が徐々に明確化してきている様に思います。全てのヨットは何でもできる。でも、それぞれのヨットには得意分野があります。当然ながら、使う側の求める内容と合えば最高に楽しむ事ができる。

さて、今回のご紹介はオランダのFlyer 33です。特徴的なのは、垂直に切り立ったバウにたいして、クラシックスタイルのオーバーハング。曰く、ニューモダン/クラシックデザインとの事。クラシックな雰囲気を維持しながら、水線長を長くと考えたのでしょう。

  

排水量は2、700kg、バラストは1.050kg、バラスト比:39%です。これに対してセール面積が46.6uで、SADRは25.5あります。
かなりスポーティー感のあるヨットじゃないでしょうか。ジェネカー用のバウポールは無い代わり、フォアステーの位置がやや後方で、ファーリングドラムはデッキ下、バウ先端からジェネカーを展開できるようになってます。バウも長いオーバーハングにすると、ジブのファーリングドラムをデッキ下というわけには行かなかったのかもしれません。チークデッキが本物のチークでは無く、人工の素材になってます、造船所曰く、これならメインテナンスが簡単だとか。しかし、紫外線の影響で、変色してしまうのでは、と思いますので、これはどうか?新しい素材で、そういうのに強いのかもしれませんが。また、重量の軽減という事もあるのかもしれません。




デイセーラーの内装はシンプルです。入ったら座るというのが原則です。その分、重心も低い。しかし、近場のセーリングやクルージングを考えても、結構、これで間に合うのではないかと思います。それより、セーリングの面白さが重要と考えるのが、全てのデイセーラーの基本コンセプトです。

 造船所のバキューム/インフュージョン工法
  のビデオがありましたので、掲載しました。
  カバーを被せ、真空ポンプでエアーを抜きつつ
  もう一方から樹脂が浸透していってます。

  多くのデイセーラービルダーの工法はこの
  工法を採用しています。ただ、ビルダーに
  よって、どこの部位までやるかはそれぞれで
  はあります。







  セーリングシーンも少し。

次へ       目次へ