第七十五話 Code 0

フランスにブラックペッパーという造船所があり、そこが建造するヨットにコードゼロというデイセーラーがあります。これも33フィートです。排水量は1、950kgですから、これまでのどのヨットより軽いです。普通のレーサークルザーの半分ぐらいです。バラストは800kg セール面積は50u、これのSADRは32もあります。何しろ軽いし、セールもそこそこ。でも、このセールでこのバラストですから、かなり早目のリーフは必要かな?

デイセーラーは全体的に船体を軽く造ります。それに対して、バラスト重量をどうするか?そこがかなり排水量の鍵を握っている様に思えます。写真を見ますと、どうもそんなに軽い様には見えませんが、造船所のデータ上、そうなってます。多分、全体の工法によるかもしれません。例えば、内装全てをFRPサンドイッチ構造にするとかです。

それと、SADR30当たりを狙ってくるヨットというのは、デイセーラーと言えど、かなりレースも意識している。レースになると、クルーが居ますから、少人数と言えど、排水量も軽いわけですから、クルーの体重の効果は大きくなります。それで、シングルハンドでは、早目のリーフで対応していけば良いという考え方ではなかろうか?フルセールでは圧倒的に速く走れます。

それと、ヨーロッパ系のデイセーラーは、こういうレースを意識したSADRの高い艇が多く、これに対して、アメリカ系デザインは、もちろん、レースもするだろうが、デイセーラーとして、ヨーロッパ系程は意識していないのかもしれません。アメリカ系の方がマイルドなスポーティーさを持たせている様に思えます。多分、デイセーラーに対する考え方の違いだろうと思います。

また、比較にあたっては、幅等は若干の違いはあっても、それ程大きくは違いませんし、セールは、セルフタッキングもあれば、最近では105%あたりのジブを採用しているヨットもあり、条件は異なりますが、でも、それが造船所の設定であれば、問題にしませんでした。その設定で走る事が前提ですから。それで、最も違いが出てくるのが、排水量とバラスト、それにセール面積/排水量比(SADR)ですので、これらを比較する事で、デイセーラージャンル内であれば良いと判断しています。

ハイスピードと言っても、実際、ヨーロッパでも、レースするのは全体使用の2割程度だそうで、8割はやっぱりシングルや家族とのデイセーリングなんだそうです。軽風が多いのかな? それとも、リーフすれば良いからという事かな? リーフと微軽風用セールを使えば、かなり臨機応変に遊べるな〜と思います。セーリングも、スイスイ走れば、もうそれだけで気持ちが良いですよね。

  

  

  

  
  

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