第七十六話 E 33

さて、もうひとつ33フィートをご紹介したいと思います。今度はアメリカのE ヨット。E33です。アメリカですから、モダン/クラシック系のデザインです。アメリカのデイセーラーは殆どこれです。好きなんでしょうね、こういうデザインが。排水量2、676kg、バラスト1、145kg、セール面積は49.24u。スクウェアートップメインです。それで計算しますと、SADRは26になります。前に取り上げました、Flyer 33に近いです。かなりのスポーツ度の高さです。でも、ヨーロッパ系では、もっと速いのがゴロゴロ。アメリカ系はそこまでは狙っていないようです。デイセーラーに対する考え方の違いだろうと思います。レーサーだったら、アメリカでも速いのがゴロゴロです。

これまでSADRを何度も書いてきましたが、これはデイセーラーがみんな共通して、デッキが低いし、幅も似た様なものですから、スピードについて、これだけを取り上げてきました。他の一般のクルージング艇はまた違った要素が出てきますので、あくまでデイセーラー比較として使っています。

デイセーラー内で比較するとき、SADR、そしてバラスト重量を見れば、だいたいの事は解ると思います。それと見た目のデザイン。気に入るかどうかの大きな要因になると思います。いくら性能良くても、気に入らないデザインは遠慮したい。遊びなんですから。それと、もうひとつは硬い船体である事。これがあると、セーリングに滑らかさを感じます。これがまた気持ち良くさせてくれる。

このSADRは、他のレーサークルーザーではどの程度かと調べましたら、いわゆるレーサークルーザーで25前後から、もっとレーサー寄りになると、27、28ぐらい。どうしてもデイセーラーに比べたら排水量が重くなる。ですから、それに対してでかいセール設定です。確かに、キャビンの広さは違いますが、セーリングにおいては、同等のパフォーマンスでも、デイセーラーはセールが小さくて済むので、取扱いはし易くなります。まあ、シングル想定がありますので、当然ではあります。

アメリカ系デイセーラーは、速さを求めるも、レーサーとは区別し、ヨーロッパ系は、ヨットによっては、レーサー並みのもあります。それは、排水量の軽量化によって行われている。市場の求める処が違うんでしょうね。さて、日本はどっちなんでしょう? それを問う前に、もっとデイセーラーの事を知って頂きたいと思います。まあ、普通、SADR20前後で充分楽しめると思います。

  

  

  

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