第八十五話 オプティオ 9(30フィート)

フランスのヨットです。造船所は外洋艇の造船所で、そこがデイセーラーを建造したというパターンです。排水量は1,700kg、それにバラストが700kg、バラスト比41%、 セール面積は43.5u それで、SADRは30.9と非常に高いです。但し、メインセールをスクウェアートップにした場合で、これを、通常の三角のセールにしますと、数値は落ちてきます。バックステーの無いヨットでは、メインセールをどうするかによって、数値が変わります。また、以前はチークデッキを標準にしていたので、排水量がもう少しありました。また、キールも油圧式のリフティング、これは固定キールを標準とするように変わりました。これらでSADRの値が少し上がりましたが、まあ、これらを追加しても、充分パフォーマンスレベルは高いです。

ヨーロッパのデイセーラーでは、こういう速いヨットは、もはや珍しくも無くなってきましたが、このヨットは、個室のトイレを設けています。これはデイセーラーとして、このサイズで完全個室は珍しい。それに、オプションではありますが、ギャレー、冷蔵庫、電子レンジまであります。ちょっとしたファミリーでのクルージングも強調しています。

特徴的なのは、コクピットシートを後部側へ持ってきた事です。ティラーの位置は舵の位置から、ステアリングホィールの様に連結して、少し前側に移動させてます。、操作系を前に持ってきて、ゲスト側を後部側へ。これで、操作の邪魔にはならないので、ゲストもゆっくりできます。その後部シートは折り畳み式で、使わない時は写真の様に収納できます。

もうひとつの特徴は、ツゥインラダー、ヒールさせて、接水面積を下げてという感じでしょうか。船型的にも、それが伺えます。また、ティラーは、使わない時は、フロアーに埋め込むみたいに収納されるようになってます。さらに、トランサムも、写真はオープンですが、開閉式のクローズトランサムもあります。 スポーツ&リラクセーション、そしてイージーハンドリング、デザイナーのアイデアは、その使い分けにある様です。

  
  
  
  
  
  ビデオに出てくるもうひとつのヨットは、この造船所が建造する57フィートです。

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