第九十一話 FOCUS 800

サイズは26フィート、前後のオーバーハングが美しいクラシックデイセーラーです。これもオランダ製。見た目と違って、もちろん、FRP.サンドイッチ構造で、バキューム/インフュージョン工法、見た目はクラシックでも、造りは最新です。さて、いつもの様に見て行きます。排水量は900kg、やっぱり軽い。そのうちバラストが450kgですから船体は450kgという事になります。これに対してセールは26.7uです。セールは小さい、しかし、排水量が非常に軽いので、SADRは何と28.9にもなります。かなり高い数値です。スポーツ性高いですね、一般レーサークルーザーの中でも速い方の部類に入ります。思わず、計算し直してしまいました。でも、間違いありません。もちろん、スピードには、船型も関係しますし、水線長も関係します。しかし、こういうクラシック系はヒールすると、水線長は長くなります。

データを見ますと、前話のノルディックフォークと比べて、排水量は半分以下、でも、セール面積はやや大きいぐらい。ヨットとしては、そのパフォーマンスにおいて全く別物になっています。バラストも当然、半分以下ですから、セール面積に対するバラスト重量も小さい。
強風時には、圧倒的にノルディックフォークの方が強いわけですが、それに対してはリーフで対応するとして、セーリング全体の事を考える必要がありますね。微軽風から強風まで、どういう走り方をするか? もちろん、面白さを味わう為に。

エンジンはエレクトリック。こういう小さいサイズには、最近はエレクトリックモーターの採用が多くなりました。軽いし、小さいですから。キールは固定フィンキールですが、油圧式のリフティングキールも可能という事でした。

キャビンさえ犠牲にできるなら、軽くて、美しいラインがひける。そういう典型ですね。でっかいヨットを走らせるのも良いんですが、こういう小型でも美しいヨットを、自由自在に走らせる。しかも、気軽に。そういうのもカッコ良いもんです。しかも、速い。

  
  
  
  

  

次へ       目次へ