第九十五話 イーグル36

ここからは、サイズが少し大きくなります。イーグル36はオランダのデイセーラー、前後に長いオーバーハングを持つ、美しいヨットです。オーバーハングは水線長を短くしますが、でも、この美しさは魅力です。それに、ヒールしますと水線長は長くなる。これがオーバーハングを持つヨットの特徴です。もちろん、水線以下は最新のデザインで、スポーツ性を高めています。

排水量は3,300kg、バラストは1,400kg、そしてセール面積は50.9u、それでSADRは23.2です。 排水量は同じクラスのクルージング艇の50%弱ぐらい軽く、セール面積は25%ぐらい小さい。スピードとしては、同クラスのクルージング艇とレーサークルーザーの中間ぐらいです。結構、スイスイ走る感じのイメージがつかめるでしょうか? そのうえ、操作的には遥かに楽にできます。

このヨットは36フィート有りながら、キャビンはバウキャビンのみです。デイセーラーとしての徹底ぶりが伺えます。そして、コクピットには、フォールディングテーブルを設置し、そこがメインサロンと言います。オプションではありますが、そのテーブルに清水と冷蔵庫を設置する事もできます。このヨットの目指す処は、極端に速いスピードでは無く、マイルドなスポーツ性で、楽に、優雅にスイスイ走るという感じだと思います。この美しいデザインが、もうそういう感じですね。それに、デイセーラー共通ですが、海面が近いので、そのフィーリングたるや一般ヨットとは全然違ってきます。スピード感もあります。

このサイズだと迷う処かもしれませんが、ウィンチはマニュアル式と電動式があり、これはオーナーの考え方次第です。ハリヤードウィンチは、コクピット前方の中央に集中し、これだけでも電動にすると楽かもしれません。兎に角、美しいヨットです。美しく走らせるだけで、このパフォーマンスからしても充分だと思います。今日、レーサー並みのパフォーマンスを持つデイセーラーも出てきたので、SADRが23というと低く思えてしまいますが、一般的には、充分過ぎるぐらいスポーティーさがあるので、走らせて面白いと思います。

  
  
  
  
  
  
  

次へ       目次へ