第五十六話 ソフトの重要性



      
自分のヨットとセーリングに馴染んでくるとどうなるでしょう? いつでも、気軽にセーリングができます。誰でも気軽に誘えます。ひとりでもぶらりと出れます。何度も走った海域、夜間航行だって、気軽になれます。その気軽なセーリングだって、洗練されてます。自由自在に操船できます。だから、より感覚的に走る事ができます。

昔、まだみんな小さなヨットだった頃、そこに30フィートのヨットなんか入ってきたら、でかいな〜と思ったものです。そして、いつかは、俺も30と思った人は多かった。大きなヨットはみんなの憧れでもあったものです。しかし、今日、40フィートも50フィートも珍しく無くなってきました。だからと言って、いつかは50なんて考える時代でもありません。

今日の憧れは、大きさよりも、自由自在に、しかも、気軽に走らせる事ができるというものではないでしょうか? もちろん、ロングクルージングの旅に憧れる人も多いのですが、これは時間的要因がからんできます。でも、セーリングに関しては、大きさも関係無く、時間的な要因も関係無く、自分に合ったサイズと、自分に合ったスタイル、そこに自由になれるかというのが重要だと思います。

大きかろうが、小さかろうが、いつでも、自由に、しかも、セーリングが解っている事。それを楽しめる事。それが、これからのヨットなんだろうと思います。気に入ったヨットで、自由自在になる事。そういう時代。
それは、日本にはヨットが海外に比べて少ないとは言われますが、それでも、ヨット文化の進化、熟するプロセスではないかと思います。

日本に、やっと導入期が終わって、これからは、如何に使いこなしていけるか? そういう時代になってきているのではないかと思います。大きいのも良い、小さいのも良い、クルージングでも、レースでも、セーリングでも、別荘的でも、宴会でも、何でも良いんですが、それを使いこなして、本当に楽しめているのか?

ハードは解った。世界にはいろんなヨットがある。いろんな装備もある。では、それを使うソフトはどうなのか? どの様に使いこなして楽しめるのか? これからは、そういう時代なんだろうと思います。 ハードに合わせるソフトでは無く、ソフトがあって、それに相応しいハードはどれなのか?スタイルは何であれ、本当の自分スタイルを模索する時代なのかもしれません。それが成熟期なのかもしれません。

        

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