第五十八話 デイセーラーの三要素



      
デイセーラーを楽しむ方法として、第一番目は何と言っても、本気セーリング。本気でやると、必ず緊張感を伴います。神経を集中して、ピーンと張りつめた状態です。ちょっとした風の変化も見逃さず、すかさず対応します。このセーリングは、腕のレベルには関係無く、誰もができる集中力が大事です。 そして、この緊張感は、やがて、緩和となって神経が解放されます。これこそが、面白さの秘訣だと思います。緊張感がある時は、ただ、そこに集中しているだけで、面白いとか何とかは考えない。しかし、それが緩和となって解放された瞬間に、あ〜面白かったと感じるのだろうと思います。そのセーリングが思い通りにできていたなら尚更です。緊張感の無い所に、緩和も無い。その両方が無い処に、面白さなんて存在できないのではないかと思います。このセーリングスタイルには、やはりシングルハンドが良いと思います。

二番目は、ゆったりとゲストを迎えてのピクニックやショートクルージングです。一番目の本気セーリングを軸として、セーリングを心から楽しんでいればこそ、ゲストにもより楽しんでいただけるはずです。余裕のおもてなしセーリングができると思います。これは一番目の面白さとは異なる楽しさです。

そして、三番目は、何と言っても、カッコ良くなければならない。ヨットは海外では女性名詞ですが、美しいヨット、まあ表現は難しいですが、敢えて言えば、色気のあるヨット。それを常に、美しく保って、美しく走らせる。ある人は、ヨットは彼女、恋人みたいなもんだと言われた。 それぐらい可愛がってやりたいものです。

この三つがあれば、他に何が必要でしょうか? 乗る時間は2〜3時間だとしても、いつもカッコ良く、緊張と緩和を楽しんだり、家族や友人達を楽しませたり、非日常的空間と時間を楽しめます。デイセーラーはそんなヨットだと思います。

        

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