第六話 ヒンクリー 42DS



    ヒンクリー社は、日本でも有名になりました。1928年に設立された超高級セミカスタムの造船所です。
    そこが唯一、42フィートのデイセーラーを建造しています。コンセプトは、デイセーリング+クルージングです。
    以前にも書きましたが、クラシック系のデザインは、特別高いパフォーマンスというより、マイルドなスポーツ性に
    留めています。
  
    排水量は6,615kg、バラストは2,160kg、セール面積は67.8uです。計算しますと、SADRは19.5です。
    前話のモーリスのM42と似ています。ただ、M42より全体的に軽くなり、バラストも軽くなり、セールも少し小さく
    なっています。排水量からバラスト重量を差し引きますと、だいたい同じぐらいの重量です。でも、バラスト重量が、
    640kgヒンクリーの方が軽いです。その分、排水量が軽くなっている。この二つは、そう大差無いと思われます。
    ただ、バラストとセール面積の対比を見れば、M42の方が安定性は高いです。でも、ヒンクリーの方だって、相当
    安定度は高いと思います。この二つは超高級艇のライバルみたいなものでしょう。

    このヨット、もちろん、ゴージャス。内装も造り込んでありますし、オール電動は当然。ボリューム的にも、スリムで
    フリーボードが低いので、気軽になれます。どのヨットもそれがデイセーラーの良い処でもあります。マストは木に
    見えますが、塗装によるものです。もちろん、カーボンマストです。残念ながら、ビデオがありません。


     内装をここまで造り込まなければ、もっと軽くできます。このままのセールとバラストで、もっとパフォーマンスを上
    げる事ができます。でも、これがモーリスやヒンクリーのスタイルという事でしょう。 ゴージャスなヨットを気軽に走ら
    せる。ジェントルマンズボートです。

  
  
  
  
    

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