第八十二話 基本セールセット



      
これは最初に書くべきだった事かもしれません。セールを展開した時に、まずどういうセットにしたら良いか? 全ての調整の基準になります。そこから風が弱い時、強い時、その基準から調整していきます。

ジブセールはセルフタッキングジブです。シートを引いて展開すればOK。デイセーラーでも、たまにセルフタッキングジブでは無いものもありますが、それはもうちょっと調整幅があるわけですが、多くはセルフタッキングジブで、操作はシートの出し入れのみです。

さて、メインセール。ハリヤードでトップまで上げて、メインシートトラベラーは中央。それで、風上に上ります。そうすると、メインシートは目一杯引き込む。ブームは船体の中央あたり。上りですから、船体はヒールします。ヒール角度は20〜25度を越えない。確認の為のヒール計があると良いです。一部、コンパスに内蔵されている事もあります。これを超えるとオーバーヒールして、横流れが強くなります。

この状態で、セールのトップバテンの後端が、ブームと並行になるぐらいにメインシートを引いて調整します。下から見上げても解らなかったら、ブームの後から見ると解りやすいと思います。それを下からも確認しておきます。トップバテンがブームに並行の時、実際は、セールトップ側が下部に比べて少し開いた状態になります。

もちろん、ヨットの安定性の違いによって、風速何ノットで、このセールセットで、何度ヒールするかは違いますが、20〜25度ヒールしたら、その時の風速を基準に、それより弱いか強いかによって調整をしていく事になります。15度のヒール角度だったら、もっとパワーをつけたいし、オーバーなら抜きたい。

これを基準にして、セール形状は変えずに角度だけ変えるとか、角度は変えずに形状を変えるとか、いろんな風に合わせる事になります。それを意図的に操作するには、知識が必要ですし、その操作が必要になりますが、セーリングとはその操作を楽しむものだと思います。ひとつ操作が増えると、その分、面白さも増えていくと思います。ただ、あまり難しく考えないで、セールパワーを増やすか減らすか?セールの形と、角度、これからをひとつづつ分けて考えていくと良いかと思います。

        

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