第十四話 風の変化



      
セーリングの難しさはヨットじゃ無くて、風の変化が起こしている事になります。風の変化は風向と風速の変化です。風向と風速が同時に変化して、同時に対応していくとなると難しくなります。それで、分けて考えると解りやすくなりますが、さらに、考えるだけでは無く、実際に風向を固定して風速変化だけにしてしまうという方法はどうでしょうか?

上りでは風向変化に舵で追随していく走りですが、それを他の角度でもやってみます。風向の変化に常に舵操作で追随していくなら、もはやセール操作において風向の変化は無い事になります。そうしたら風速変化だけです。

風向に対して走る角度を決めたら、舵操作で、風向変化に対して同じ角度になるよう舵操作してみる。真横の90度だったら、ずっと90度になるようにです。何度でも良いんですが。普通は上り以外ではこういう走りはしないのですが、敢えて、角度を固定して、風速変化だけに絞ってみます。ドラフト設定後、この場合だったら、バングだけの操作で良い事になります。

ただ、風向は舵操作で一定にする事はできますが、風速の方はそうはいきません。でも、風速というのは、ある一定の風速以下では、できるだけ風を取り入れる事になりますし、それ以上なら逃がすという事になります。その基準はドラフトの深さで創ったパワーとその時の基本セールセットです。おおまかなパワー調整はドラフトで、小さな調整はリーチの開き、角度を一定にして、セールの形を考えて見るのも一案だと思います。

他にも、いろんなやり方があると思います。それを自分で考えて、いろいろ試していくのも面白いかと思います。バングだけしか操作しない走り、シートだけ、トラベラーだけ、ひとつしか操作しないで走るとかもその一点の操作の事が非常に良く解るようになると思います。遊びですから、いろいろやって新しい何かが解ったら儲けもんです。

        

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