第九十九話 感じる事の重要性



      
世の中、ますます便利になってきました。スマートフォンはますます進化し、車の自動停止装置、新幹線は拡張し、さらにリニア新幹線も予定されています。ますます、人が便利ばかりを見る様になってきます。あれも、これも簡単に出来る。それはそれで良い事だと思いますが、反面、人間の理屈では無い感情の部分が疎かになるのではなかろうか? 変な事件が起きるのも、そこにも一因があるかもしれません。

人は体と頭と心で出来ている。生きていくうえで、心は特に重要ではないかと思います。便利さは、誰かが考えて、発明したりして、それを提供してくれます。でも、心は自分で養う必要がある。その最も良い方法は遊びではないかと思います。それも、感じる遊びです。いろんな感覚を味わう事で心も鍛えられるのではないかと思います。そうすれば、少なくとも頭と心のバランスが取れてくるのではなかろうか?今は、頭脳偏重にあるのではないかと思います。

セーリングの良い処は、体と頭脳と心のバランスが取れるようになる事です。しかも、自然相手ですから、その状況に文句をつける事無く、受け入れざるを得ません。体を使ってセーリングして、そのセーリングに頭を使ってより良くしようとします。そして、その一連の変化を感じます。天候によってはいろんなフィーリングがありますし、それは自分の腕前の変化にも寄ります。

スピード感、不安定に対する安定感、滑らかさ、微妙な船体の動き、舵に伝わる波の変化、加速感、風や波の音、風が顔に当たる感覚、セーリングは感覚の宝庫です。頭脳はセーリングの理屈を考え、心は感じる。体も適度に動きます。役割がきちんとできてます。とってもバランスが良い。

セーリングはこの感覚を主体にしたら良いのかもしれません。このフィーリングの為に、体も頭も使います。世の中が頭脳偏重だとしたら、遊びは感覚偏重ぐらいで丁度良いかもしれません。 感じるから面白さが湧いてきます。

        

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