第十八話 使いこなす時代



      
ハードは揃ってきました。世界を廻りたいなら、そういうヨットがあります。クルージングだって、レースだって、その気になるなら選択幅は広い。さらに分野が広がり、セーリングを主軸にするデイセーラーにしても、そのパフォーマンスやサイズにおいて選び放題、我々は幸運にもそういう時代に居ます。

という事は、今度は、使う側の問題になります。 そのヨットをどう使いこなせるか? 各分野にそれぞれのヨットがあり、さらにその中にそれぞれのモデルがあります。ですから、各分野を考え、さらに各モデルの性能を考え、自分のスタイルを選ぶ事になります。

その中のデイセーラーに言及すれば、デイセーラーは近場重視ではありますが、サイズで言えば20フィートから60フィートまで豊富です。さらに、セーリング重視ですが、そのパフォーマンスは非常に幅広い。外洋艇のそれから、レーサーのスピードまで、つまり、セーリングを堪能するに、その選択幅は広い。いわゆるピクニックセーリングから本気度の高いセーリングまで、サイズも性能も選び放題です。さらに、デザインの違いもあります。

デイセーラーがここまで発展してきた理由は、セーリングがそれだけ深いという事を意味していると思います。レーサーだったら速さです。クルージング艇なら安定感や居住性かもしれません。でも、セーリングと言うと、スピードあり、安定性あり、滑らかさあり、加速感、何々感と、感じる処が全てセーリングの一部です。その中で、どれを優先するかは、各個人の選択になります。どの要素が最優先されるべきというものは無く、個人の価値観に任される。だから、自分に合うセーリングを堪能できる事になります。デイセーラーのスタイルは、”美しいヨットを、美しくメインテナンスして、美しく走らせる” これが全てを表しているかと思います。

使いこなす時代、これは我々自身にかかっている。逆に言いますと、やり方次第で最高に楽しむ事ができるという事になります。その方法は自分の感性に正直に行動する事ではないでしょうか。遊びだからこそそれができる。仕事ならそうは行きません。遊びの価値はそんな処にもあると思います。

        

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